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外来バチ 九州で警戒 繁殖力高く駆除困難 早期発見を呼び掛け 環境省

日本農業新聞 8/29(月) 7:00配信

 欧州で生息が拡大し、国内では特定外来生物に指定されている「ツマアカスズメバチ」が、2012年に長崎県・対馬で見つかって以来、昨年は福岡県、今年に入って宮崎県で相次いで見つかったことを受け、環境省が警戒を強めている。繁殖力が強く、巣も見つけにくいため駆除が難しくミツバチを捕食するため、養蜂への影響が懸念されるためだ。新女王バチが巣立ちする秋を前にハチや巣の早期発見、通報を呼び掛けている。

 ツマアカスズメバチは中国、東南アジアなどが原産。環境省によると、侵入後、定着を許してしまったフランスやスペイン、韓国では、ミツバチや在来のスズメバチの減少が報告されているという。

 このため、同省は今春、ハチの定着が確認されている韓国・釜山港と船の往来がある九州5県7カ所の港湾周辺で調査を実施、5月に宮崎県日南市油津港周辺で女王バチ1匹が見つかった。ただ、今夏にも九州の港湾で調査したが、新たな個体や巣は見つかっていないという。

 駆除を困難にしているのは高い繁殖力と、営巣場所が特異なためだ。在来のスズメバチと比べて大きな巣を作り、1巣当たりの個体数は、フランスでは平均1万2000匹ほど。この中から、新たな女王バチが550匹以上育つとみられている。営巣場所は、初めは茂みや低木の中などに作るが、働き蜂が増えるに伴って樹上に移動するため駆除が難しくなる。

 03年に侵入を確認した韓国では年間10~20キロ、04年に確認したフランスは同100キロのペースで広がっているという。対馬でも13年に56巣、14年150巣、15年241巣と駆除が追いつかないほどの繁殖力だ。

 同省は生態系への影響や、養蜂や受粉への影響が出ると懸念する。定着が確認された韓国・釜山広域市では、北海道でも生息する在来のケブカスズメバチが減り、今ではツマアカスズメバチが、最優占種に取って代わった。

 女王バチは体長3センチ、働き蜂は同2センチと、在来のスズメバチと比べてやや小さく、他のハチと混同して見分けることも難しい。一時は、人を襲う危険性が指摘されたが「人へのリスクは、在来のスズメバチ並」(九州地方環境事務所)と説明する。ただ「侵入させない、定着させないことが大事。疑わしいハチや巣を見つけた場合は、環境省や各県に通報してほしい」と呼び掛ける。

日本農業新聞

最終更新:8/29(月) 7:00

日本農業新聞