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岡山大など、放電加工で深穴90度曲げに成功-金型冷却流路に提案

日刊工業新聞電子版 8/29(月) 16:02配信

球状電極を活用、3年以内の実用化目指す

 岡山大学大学院自然科学研究科の岡田晃教授と三宅達也大学院生、兵庫県立工業技術センターの山口篤主任研究員らの研究グループは、深穴加工の方向90度曲げられる放電加工技術を開発した。球状電極をワーク(加工対象物)に近接させて金属を溶かす。金型の冷却用流路などの加工用として利用を提案する。3年内の実用化を目指す。

 球状電極を導電性のワイヤやテープ材でつり下げ、そこにワークを近付けて放電を起こす。球状電極の自重を利用するため電極の下方向に穴があく。ワークを傾けることで穴の方向を変える。

 テープ材がたわんで変形するため、曲がった穴の中でも球状電極に給電できる。テープ材は周囲を絶縁膜で覆い、テープ材とワークとの間の放電を防いだ。ワークをわずかに振動させて加工粉を排出し、通電によるショートを防いだ。

 アルミ合金でU字状の深穴を加工できることを確認した。球状電極の直径は5.5ミリメートルで、ワークは0.05ミリ-0.18ミリメートルの振幅で振動させる。加工の位置精度は約0.5ミリメートルで、金型冷却用の流路には十分な精度という。

 放電加工はこれまで、穴の形状に応じて専用の電極を用意する必要があった。新手法は一つの電極で深穴の曲率を変えられる。今後は加工が難しい超硬合金などにも利用していく。

最終更新:8/29(月) 16:06

日刊工業新聞電子版