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クルーズ船訪日客17人失踪

長崎新聞 8月29日(月)8時54分配信

 外国クルーズ船の入港が相次ぐ長崎、佐世保両港で、出港時までに船に戻らず、失踪する訪日客が2015、16年に計17人確認されていることが県警の調べで分かった。不法入国の新たな手口とみて県警は警戒を強めている。

 県警外事課によると、15年に長崎港で11人、16年は長崎、佐世保両港で6人が失踪。国籍別では中国人14人、ネパール人2人、フィリピン人1人。このうち10人が入管難民法違反容疑(不法残留)で逮捕されたり、自ら入管に出頭するなどして強制退去させられた。

 身柄を保護された場所はほぼ関東地方。失踪者は「就労目的だった」「もっと観光がしたかった」などと動機を話したという。いまだに行方不明の7人も、捜査の網をかいくぐって首都圏などで不法残留していると県警はみている。

 国土交通省によると、15年のクルーズ船の寄港回数は博多が259回で全国最多。長崎は131回で2位、佐世保は36回で8位。中国をはじめ東アジアからの訪日客の急増で、地理的に近い九州・沖縄への寄港が目立つ。福岡県警によると、博多港でも15、16年に計17人が失踪している。

 クルーズ船の寄港増に対応するため、国は12年以降、特定の船の乗客に対し、顔写真撮影の省略など入国審査の簡素化を図っている。県警の担当者は「審査の簡素化に加え、旅行代金が安くなり、富裕層以外も利用するようになった」と背景を分析する。

 法務省入国管理局は「空港経由で入国する不法残留者に比べ、クルーズ船による不法残留者は微々たるものだが、引き続き厳格に対処する」としている。

長崎新聞社

最終更新:8月29日(月)11時2分

長崎新聞