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サンゴ白化、バクテリアが関与 静岡大が初解明

沖縄タイムス 8月29日(月)11時15分配信

 静岡大学の鈴木款(よしみ)教授、カサレト教授らの研究チームは28日までに、サンゴの白化現象は海水温の上昇だけでなく、高水温下で活発化するバクテリアが大きく影響していることを実験で明らかにした。鈴木教授らは「海水温だけでなく、バクテリアを含む水質環境やサンゴ礁の生態系全体の保全とセットで考えないといけない」と強調。人間の活動でサンゴが傷つけば、さらに白化が進行すると警鐘を鳴らした。(北部報道部・城間陽介)

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 サンゴの白化について、バクテリアの関与が明らかになるのは初めて。

 研究チームは鈴木教授とカサレト・ベアトリス教授、鈴木利幸博士ら8人。瀬底島の琉球大学熱帯生物圏研究センターで、沖縄近海で代表的なサンゴ「コエダミドリイシ」「スギノキミドリイシ」を調査。6種類のバクテリアが与える影響を、サンゴの傷の有無や異なる水温下でそれぞれ調べた。

 最も白化が顕著だったのは、水温32度で水中にバクテリアがいる水槽内の、傷のあるサンゴ。次に白化が見られたのは同条件で傷のないサンゴ。同じ水温で傷もバクテリアもなしのサンゴは弱い白化がみられた。一方、水温27度の水槽ではバクテリアや傷の有無にかかわらず、白化はなかった。

 研究チームの分析では、海水温が上昇するとサンゴに有機物を供給するプランクトン「褐虫藻」の働きが低下する一方、バクテリアは活発化して褐虫藻を分解しサンゴにダメージを与える。これまでの研究で、バクテリアがいる場合は、いない場合と比べ褐虫藻の分解度が50~60%進行することが分かっており、傷のあるサンゴはさらに分解スピードが速いことも明らかになった。

 一般に、サンゴは高水温や紫外線で強いストレスを受けるとされるが、カサレト教授は「バクテリアの増殖でさらに白化が進むことが証明された」と指摘。またバクテリアは陸域でみられるもので、同チームは生活排水や赤土など陸から海へ流れ出たものがオニヒトデや貝、魚によって媒介されてサンゴに付着するとみている。

 カサレト教授は「人間の活動でサンゴを傷つけないようにすることも、白化を加速させない大事なこと」と強調した。

 今回の実験結果は、12月に那覇市で開催されるサンゴ礁学会で発表する予定。

最終更新:8月29日(月)15時50分

沖縄タイムス