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世界初の南極公演 富山のアマ劇団「文芸座」

北日本新聞 8/29(月) 0:45配信

 富山を代表するアマチュア劇団「劇団文芸座」が12月、南極でチェーホフの「結婚の申し込み」を上演することになった。現地の民間ベースキャンプ、ユニオン・グレーシャー基地に特設ステージを設け、滞在者らに披露する。国際アマチュア演劇連盟によると、南極での本格的な芝居の公演は世界で初めて。文芸座の小泉博代表(83)は「アマ劇団だからこそできる挑戦。意義は大きく、何としても成功させたい」と話している。

 1948年創設の文芸座は、欧州や北南米、オーストラリア、モロッコ、中国など海外で70回近い公演の経験を持ち、国際的にも高い評価を得ている。南極で舞台に立てば全大陸制覇となることから今回、劇団のさらなる飛躍のきっかけとし、アマ演劇を愛する世界の仲間を鼓舞しようと未踏の地での上演を決めた。

 南極公演に参加するのは、演出を手掛ける小泉代表と出演者の小泉邦子さん(79)、谷井美夫さん(70)、舟本幸人さん(57)の計4人。12月18日から20日まで滞在し、日本語で2回上演する。

 「結婚の申し込み」は伊賀山昌三(いがやましょうぞう)さんの翻案で、チェーホフ屈指の一幕喜劇を東北の旧家に置き換えた作品。婚姻の許しを巡って、思いも寄らぬ騒動が繰り広げられる。これまで米国やハンガリー、インド、フィンランド、韓国など16カ国で上演し、喝采を浴びた。よく知られたストーリーで分かりやすいため、今回の演目に選んだ。

 会場となるユニオン・グレーシャー基地は南極点からチリ側に約千キロ離れた場所にあり、80人の宿泊施設を備える。ツアー客らも利用する。芝居は集会場も兼ねた食堂テントで上演。折り畳み式のセットを持ち込み、可能な限り普段の公演と変わらない演劇空間を作り出す。

 国際アマチュア演劇連盟のロブ・ヴァン・ヒュネヒテン会長は「過去に例のないユニークなパフォーマンスの成功を願っている」と期待を寄せた。出演者は演技に磨きをかけつつ、健康管理にも余念がない。小泉代表は「世界のあらゆる地が、演劇空間として成り立つことを実証したい」と意気込んでいる。

北日本新聞社

最終更新:8/29(月) 0:45

北日本新聞