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モンロー宿泊の帝国ホテル、円高を懸念-会員制拡充で常連確保へ

Bloomberg 8月29日(月)5時0分配信

日本を代表する高級ホテルを所有・運営する帝国ホテルでは訪日外国人(インバウンド)増大の追い風を受け、宿泊料金がバブル期に迫る水準へ上昇する中、英国の欧州連合(EU)離脱問題や円高、株安など、今後の事業環境に不透明感が出ている。外国人客を取り込みつつ、そこに過度に依存しない経営を進め、会員組織の拡充でリピーターなど顧客の安定確保を目指す。

1890年に開業した帝国ホテルの定保英弥社長はブルームバーグに対し、「円高が続けば訪日外国人にブレーキがかかるのではないかと心配している」と述べた。株価下落も業界のマイナス要因とされており、「株価の上昇気流にブレーキがかかると富裕層の方がホテルを利用する頻度が少し下がる」と話した。宿泊しても従来のスイートルームからスタンダードルームへの変更などもあり得るという。

安倍晋三政権下の観光ビザ緩和や円安効果で、ホテル業界の客室稼働率は高まっている。観光庁によると昨年の稼働率はシティホテル約80%、ビジネスホテル約75%と10年の調査開始以来、最高だった。

宿泊料金も上昇し、定保社長は帝国ホテル東京について、昨年の改定を受けて「1泊平均3万5000-3万7000円くらいで、80年代後半から90年代初めのバブル時の3万7000円に近づいている」と述べた。10年には180億円を投じて本館の客室とレストランを中心に全面改修したのに続き、20年の東京五輪に向けて海外要人やアジア富裕層の増加をにらみ「スイートルームのグレードを上げる改装工事を今夏から来年にかけて行う」と意欲的だ。

宿泊施設をめぐっては大都市や観光地などで不足感が出ており、みずほ総合研究所が昨年8月にまとめたリポートによると、20年には約4万1000室のホテル不足が発生する可能性がある。

一方、観光庁が発表した今年4-6月の訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人1人当たりの旅行支出は前年同期比10%減の約16万円と、1年半前の水準まで低下した。訪日外国人は増加傾向で同19%増となった。15年は年間で過去最高の約1974万人になっていた。4ー6月の円相場は平均で1ドル=107円98銭と前年同期に比べ13円超の円高が進行。対ユーロも同期平均が121円95銭と同12円超の円高だった。日経平均株価は同期平均で同18%下落した。

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最終更新:8月29日(月)13時25分

Bloomberg