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スマートマネー、VIX重視の株式弱気派と対立

Bloomberg 8月29日(月)15時1分配信

米株式市場は過去50年で最も落ち着いた状況を見せているが、表面下では、ヘッジを諦め株式投資に深く踏み込む機関投資家と、守りのオプションを買い込み株式ファンドを売却する個人投資家で投資姿勢の違いが広がっている。株式市場が高値圏でもみ合いとなる中、これまでになく急ピッチでオプションの残高が積み上がっている。

こうした取引が映すのは、プロの投資家が2月以来20%近く上昇したS&P500種株価指数の上昇を好感する一方、個人投資家は確信を持てない構図だ。ミューチュアル・ファンド・ストアのクリス・ブファード最高投資責任者(CIO)は、今回はプロの投資家の読みが正しいと指摘。「今年初め以来ずっと、最も弱気な人々が考えるよりも長期にわたって米当局は低金利を続けるということを認識する反応が続いている」と述べた。

オプション市場では、機関投資家がボラティリティ上昇を見込む賭けから手を引く一方、小口投資家はこうした賭けを受け入れており、両者の違いが浮き彫りになっている。

ヘッジファンドが圧倒的な先物市場では、強気派は相場動揺が終わると見込んでいる。商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)の売り越しポジションは今月、過去最大に達した。

一方、リテール投資家は株価変動水準に連動する上場商品への投資意欲を高めている。VIX指数に連動する証券で最大規模の「iパスS&P500VIX短期先物ETN」は株式相場のショートを意味するポジションで、この発行済み口数は1月以来11倍に拡大し、今月に入って過去最高に達した。7月に流入した新資金は8億1600万ドル(約834億円)と、2012年以来最高。

S&P500種は7年で約220%上昇し、過去2番目に長い強気相場となっているだけに、投資家の見方がますます対立しても意外ではないだろう。これは皮肉にも、主要指数が異常に静かな動きを見せるという副産物をもたらしている。S&P500種は過去30日に1.5%のレンジで推移し、1965年以来最小の変動幅にとどまっている。

個人投資家の懐疑的見方は資金フローにも表れている。米投資信託協会とブルームバーグの集計データによると、昨年12月以降これまでに投資信託や上場投資信託(ETF)から900億ドル近くが引き出されている。

原題:Smart Money Going to War With VIX-Obsessed Stock Market Bears(抜粋)

Lu Wang, Joseph Ciolli

最終更新:8月29日(月)15時1分

Bloomberg