ここから本文です

【辻にぃ見聞】 “どんな状況でも気持ちよく振る”笠りつ子は、唯一のボミキラーか!?

ゴルフ情報ALBA.Net 8月30日(火)7時7分配信

 笠りつ子の優勝で幕を閉じた「ニトリレディス」。最終日にスコアを伸ばしてイ・ボミ(韓国)とのプレーオフに持ち込むと、2ホール目にバーディを奪い勝利。プレーオフ8勝を誇る強豪相手に2度目の土をつけた“会心の勝利”について、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が『深層』を語った。

【関連】笠りつ子のスイング連続写真

■笠りつ子のドライバーの精度は“気持ちよく振る”意識が生み出す

「4日間72ホールでアンダーパーが8人のみという難しい小樽カントリー倶楽部で良いスコアを出すカギはしっかりとフェアウェイをキープすること。ドライビングディスタンスがツアーで2位ということに加えて、今年の彼女はドライバーの精度もツアーで上位。それが活きた勝利だったと思います」(辻村氏)

 そのティショットが存分に発揮されたのが、昨年、バーディ賞が設定された16番よりも難易度の高かった18番で行われたプレーオフ。2回とも右に曲げたボミに対し、笠は2ホールとも狙い通りの位置に置く正確なショットを披露。2ホール目では2打目をピン奥2メートルのチャンスにつけて勝利を手繰り寄せた。

 元々ショットに定評があった笠だが、特に今年の好調さは顕著。自身も『今年の方が飛んでいますね。トレーニングの効果とドライバーのヘッド・シャフトがとても自分に合っているのがつながっていると思います』と話している。

「彼女の持ち味は“スキのないワンスイング”。途中でゆるみが出たりせず、トップからスパーンとシンプルに振れている。単純作業のようですがこれはとても難しいこと。プロだけでなくアマチュアも含めて、悩みが出てくるとどうしても“気持ちよく振りたい”ではなく“どうやって振りたい”にシフトしがちです。彼女は気持ちよく振る意識をしっかりと持てているように見えます。練習では3本のスティックをボールの両サイドと足元に置いて、スタンスとからだの向きといったアドレスのチェックがメイン。アライメントさえ間違えなければ、といった感じでしょう。考えることを少なくしてシンプルに振っているから、スイングに変な“間”がありません」(辻村氏)。ボミもプレーオフに強さを発揮するが、緊迫感のあるプレーオフでも普段と変わらない淀みないスイングをできる笠こそ、現在の国内女子ツアーのなかでも屈指のボミキラーと言えるかもしれない。

 また、独特のノーコックスイングの動きについては「手を使わないボディターン」と表現する。「良い所は、手先の動きにとらわれず大きな筋肉を大きく使ってくるところ。アドレスで作った手元の角度をスイング中崩すことなく、シンプルに一つの軸でまるでコマのように体を回転させる。常に腕・クラブを体の正面で維持し、体を素早く回転させることにより安定した力強いボールを打ってくるショットメーカーですね」(辻村氏)

 賞金ランキングも2位に浮上。目標としている1億円も目前に迫った。

「この位置につけているのはパッティングが良くなっているのも大きいと思います。上位にいけるショット力はもともとありましたが、これまではグリーン上が課題でした。ですが、今年は平均パット数が9位。過去3年間よりも飛躍的に向上しています(2013年は同34位、14年は25位、25年は34位)。特に短いパット、勝負を決めるパットを外さなくなったことが成績に反映していますね」(辻村氏)

■パター巧者が上位を独占 アマチュアも試したい鈴木愛の練習法
 また、今大会はプレーオフで敗れたボミをはじめ、3位の全美貞(韓国)、4位タイの渡邉彩香、鈴木愛といった平均パット数でベスト10に入っているパター巧者がベスト5を独占した。

「この大会のグリーンはとても速く、最終日には13.5フィートくらいのスピードが出ていました。難しいコースはやっぱりパッティングの上手い選手が上に来ますね。その内、アマチュアが参考にしたいのが平均パット数1位の鈴木愛選手の練習方法。彼女の練習は主に2つ。1つが両ワキにスティックを挟んで肩のスイングでボールを打つ方法。そして“アドレスした状態からフォロースルーだけで転がす”の2種類です。実際に試してもらうと分かると思いますが、アマチュアの方はまず上手く転がらないと思います。それはボールがフェースに乗っている時間が短いからです。彼女は乗っている時間が非常に長く、フェースの上を転がったりしないため、しっかりと強い球がでます。3日目の18番で25mという長い距離をしっかりと寄せて2パットで上がれたのも、強く転がる球をしっかりと打てているからこそです」(辻村氏)

 技術に加えて常に1メートル以上オーバーするようないつも強気のパットを見せる鈴木。それも返しのパットに自信があるからこそできること。そして、その自信はいつも最後まで練習グリーンで球を転がし続けている、質の高い絶対的な練習量が生み出している。

解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同し、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。

(撮影:ALBA)<ゴルフ情報ALBA.Net>

最終更新:9月13日(火)19時8分

ゴルフ情報ALBA.Net

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。