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GDPに内閣府と日銀で30兆円のズレ そもそもGDPはどうやって計算されるの?

THE PAGE 8月31日(水)15時41分配信

 内閣府が公表しているGDP(国内総生産)の数字をめぐって日銀と内閣府との間で論争になっています。日銀が独自の手法を使ってGDPを算出したところ、内閣府の公表結果より30兆円も数字が大きかったということなのですが、果たしてどちらが正しいのでしょうか。

 GDPは、経済の規模を示す指標で、「1年間に国内で生み出された付加価値の総額」と定義されています。例えばコンビニが70円で商品を仕入れ、100円で商品を売ったとすると、コンビニは70円の商品に30円の付加価値を加えたことになります。このように生産や販売の過程で生み出された付加価値を全部足したものがGDPであり、これが大きければ大きいほど、その国の経済規模が大きいと定義しているわけです。

 ここで説明したGDPは生産面から見たものですが、GDPには三面等価の原則というものがあります。GDPには生産面、支出面、分配面の3つがあり、これらは同じ数値を違う側面から見たものですから、原則として同じ結果になるはずです。

 一般的にGDPは、生産面や分配面ではなく支出面を中心に算出され、その結果についても個人消費や設備投資といった支出面の項目を中心に分析が行われます。日銀はあえて所得という分配面に着目してGDPを計算したところ、驚くべき結果が得られました。2014年のGDPは内閣府が公表していた数字より30兆円も多く計算されたのです。

 分配面は主に個人の所得と法人の所得に分類されますが、誤差が大きいと思われる法人所得を除いた場合でも、現行のGDPとの差は15兆円に達します。もしこちらの数字が本当なら、日本経済の規模はもっと大きいということになるわけです。

 内閣府の公表結果と日銀の試算に乖離が生じている理由について、日銀は明確には分からないとしていますが、可能性のひとつとして副業の存在を取り上げています。現行のGDP統計手法が副業分の雇用者報酬をうまく捉え切れておらず、数字が小さく出ている可能性があるというのです。

 しかし、この仮説の通りだとすると今度は、小売店などにおける消費など、販売に関する数字が伸びていないことなどをうまく説明できません。今の段階ではどちらが正しいのか結論を出すことは難しいようです。

 ただ、試算とはいえ日銀がこうしたレポートを出してきた意味は大きいと考えられます。これまでGDPの算出過程はあまり国民に知らされておらず、わたしたちは政府が公表した数字をそのまま受け入れるしかありませんでした。今回のレポートをきっかけに、日本のGDPについて議論が深まることは、経済政策の透明性を高めるという点でよい結果をもたらすでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:8月31日(水)16時15分

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