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NECレノボ、5年目までは「100点近い成果」だった

アスキー 8月30日(火)12時0分配信

「過去5年間のジョイントベンチャーは理想的な形。100点近い成果があった」とNECパーソナルコンピュータ/レノボ・ジャパンの留目真伸社長は話す。

今回のことば
 
 「過去5年間のジョイントベンチャーは理想的な形。100点近い成果があった」(NECパーソナルコンピュータ/レノボ・ジャパンの留目真伸社長)
 
NECレノボ、スタートして5年
 2011年7月に、NECレノボ・ジャパングループのジョイントベンチャーがスタートして、5年経過した。
 
 当初の契約では、5年でジョイントベンチャーが終了する可能性があったが、その期間を超えた関係が続いている。
 
 両社のジョイントベンチャーは、NECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパンの持ち株会社であるLenovo NEC Holdings B.V.に、レノボが51%を出資し、NECが49%を出資する形でスタートした。
 
 この時点の契約では2011年7月1日から5年後の2016年6月30日まで、この出資比率を維持し、NECブランドによるPCの製造・販売を、NECパーソナルコンピュータを通じて行なうことにしていた。
 
 そして5年を経過した時点で、どちらかの会社が希望すればNECが持つ49%の株式をレノボが買い取り、ジョイントベンチャーを解消することができる条件が付帯されていた。
 
 つまり、この契約条項ではどちらかが希望すれば、2016年6月末にはレノボによる完全子会社化およびそれにともなうNECブランドの消滅といった選択肢しか用意されていなかったともいえるのだ。
 
2026年まで契約を自動更新
 だが2年前に、2016年6月30日までの契約期間を2年間延長。さらにその後は2026年6月30日まで、契約を自動更新することにした。また2016年以降の株式の買い取りに関しても新たな条項を用意し、NECが持つ株式の一部をレノボが買い取り、レノボの出資比率を66.6%、NECの出資比率は33.4%とすることにし、出資比率を変更しながらジョイントベンチャーを継続することが盛り込まれた。
 
 実際、NECは2016年7月1日付けで出資比率を49%から33.4%へと引き下げた。この事実だけをみれば、NECが一歩引いたように見えるが、実は当初の契約に盛り込まれていた「NECが完全に出資引き上げをする」という事態を免れた内容であるのが正しい理解といえる。
 
 いわば2026年までは、日本国内においてNECブランドを使用したPCの事業展開が可能になったというわけであり、むしろこのできごとは前向きにとらえることができるというわけだ。
 
 「これまでのジョイントベンチャーの成果が予想以上のものであったこと、そしてこの仕組みが間違っていないということを両社が認識し、それを維持するための出資比率の変更である。NEC、レノボの両社にとって望ましい仕組み」とNECパーソナルコンピュータおよびレノボ・ジャパンの社長を務める留目真伸氏は語る。
 
過去5年間は理想形
 留目社長は「過去5年間のジョイントベンチャーは理想的な形。100点近い成果があった」と振り返る。
 
 その理由としてあげられるのが、統合直後からシェア向上を実現してきたという点だ。多くの企業統合の場合、一時的にシェアが減少することになる。だが、NECパーソナルコンピュータとレノボ・ジャパンの場合はシェアは減少することなく、むしろシェアを拡大させてきた。
 
 ジョイントベンチャーの開始時に、NECパーソナルコンピュータの社長を務めていた高須英世氏は、両社の合計シェアで30%を目指すことを目標に掲げていたが、2015年度には瞬間風速として40%を突破。今後は、50%のシェア獲得さえ視野に入るほどの勢いがある。
 
 この背景には、両社の関係が補完関係にあったことが大きい。
 
 日本のユーザーの声を反映し、付加価値路線を追求するNECパーソナルコンピュータと、グローバルモデル展開を軸とし、ボリューム戦略を推進するレノボ・ジャパンの基本戦略の違いとともに、NECパーソナルコンピュータが高い評価を得ていたコールセンターに、レノボ・ジャパンのコールセンター機能を統合したり、国内生産を実現する米沢事業場においてThinkPadの生産を開始したりする一方で、NECパーソナルコンピュータは世界ナンバーワンのシェアを誇るレノボの調達力を生かして生産コストを削減。
 
 これを開発投資やコールセンターの強化などに反映して、競争力を高めてきた。LAVIE Hybrid ZEROシリーズやHybrid Fristaのような製品は、レノボとのジョイントベンチャーなしには登場しなかった製品だったといえるだろう。
 
 また販売面においても、レノボの量販店向け営業部門をNECパーソナルコンピュータの営業部門に吸収する形で一本化し、コンシューマ営業部隊を設置。本部商談に加えて、NECパーソナルコンピュータが持つ各エリアの店舗をきめ細かくフォローする営業体制を活用することで、ほかの外資系PCメーカーにはない支援体制を構築。これがレノボ製品の販売拡大に大きく寄与している。
 
 「事業統合は難しく、シナジーを出すまでには一定の歳月が必要だと言われるが、NECブランド製品、レノボブランド製品のいずれもがポートフォリオを拡大でき、それぞれの製品の方向性も明確にできた。利益率向上といった成果も出ている」とする。
 
やり残しは「共創」への取り組み
 一方で、やり残していることもあると留目社長は話す。それは「共創」への取り組みだという。
 
 「パーソナルコンピューティングを普及させること、あるいはIoTという世界で存在感を発揮するには、メーカー1社が縦割りで製品やサービスを作っても成り立たない。業界を超えて様々な企業と、共創することで、ユーザーの生活をサポートしたり、業務をサポートしたりできる。この取り組みはまだ緒についたばかり」とする。
 
 NECレノボ・ジャパングループでは、「DREAM(Digital Revolution for Empowering All Mankind)」を打ち出し、2020年を目標に日本のIT活用力を世界最高レベルにし、日本に活力を与えることを目指している。
 
 そのためにはPC業界以外の企業と連携しながら共創に向けた活動を加速することが必要だとし、レノボ・ジャパンでは、「digital economy council(デジタルエコノミーカウンシル=dec)」を設置し、他社との連携による「共創」を強化している。
 
 「レノボ・ジャパンは、IBMのPC事業をベースに成長してきた会社。そして、NECパーソナルコンピュータは、NECのPC事業を軸にしている。どちらもPC業界の発祥ともいえる生い立ちを持った会社であり、30年以上に渡る事業経験を持つ。だからこそ、新たなPCの使い方を提案していく必要がある」と留目社長。そして、「NECがやってきたことも、レノボがThinkPadを通じてやってきたことも、コモディティーを追求することではない。NECレノボ・ジャパングループが目指してきたのは、PCを普及させることではなく、パーソナルコンピューティングのパワーを、もっと普及させること。そのためには、スマホやタブレット、サーバー、そしてネットワークとのさらなる連携も必要。そこに挑戦したい」とする。
 
 これからの5年間については「共創をベースにしながら、個人ユース、法人ユースにおいても、コンピューティングパワーによってもたらされる新たなスタイルを提案し、それを引っ張っていくことができる会社になりたい」とする。
 
 6年目以降の、NECレノボ・ジャパングループは、PC業界が直面する新たな課題に挑戦することになる。
 
 
文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

最終更新:9月2日(金)11時14分

アスキー

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