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神奈川県が推進する“電力の地産地消“ 採択3事業のビジネスモデル

THE PAGE 8月31日(水)8時0分配信

 2030年度までに県内の電力消費量の45パーセントを消費地の近くで発電できる分散型の電源で賄うことを目指す神奈川県では、小売電気事業者が県内の太陽光発電設備などの分散型電源から電力を調達し、県内の家庭や事業者に電力を供給する"地域電力供給システム"のビジネスモデルの公募を実施。採択された3事業を公表した。

 採択事業者は、湘南電力(平塚市)、日本エコシステム(東京都港区)、みんな電力(東京都世田谷区)。それぞれイベントなどでの地域への還元や、先着50世帯に対する6カ月間の電気料金無料措置、応援したい発電所を選択できる「顔の見える発電所」といった特色を打ち出し、契約の拡大に取り組む。

 湘南電力が県内の家庭向けに提供する「湘南のでんき」サービスは、9月1日から受け付けを開始。小田原箱根エネルギーコンソーシアムなどとの連携により、県内の太陽光発電設備から電力を調達し、2016年度は49パーセントの地産電気割合を見込む。小売は10月からスタートし、最大5パーセントの安価な料金で電力を供給する。

 日本エコシステムの「じぶん電力」は、利用者の住宅屋根に太陽光パネルを無償設置し、発電した電力を住宅に優先的に供給するというもの。供給分の電気代を日本エコシステムに支払い、停電時には非常用電源として太陽光発電設備を無料で利用することができる。今回県から得た補助金は、先着50世帯の電気代を6カ月間無料とすることで、利用者に還元する。

 自社のサイト「顔の見える発電所」内で各発電所の取り組みや運営者を紹介するみんな電力は、サイト内に専用コーナー「神奈川エネルギーマルシェ」を開設する。安定した発電、地域活性に貢献した県内発電所を表彰し、電力買取価格を優遇するほか、県内の利用者が応援したい県内発電所をワンクリックすると、発電所にみんな電力から支援金が送られる仕組み。また、利用者は県内の発電所から電力を購入することで、「神奈川割」を受けられる。

 GfK ジャパンの電力自由化後の電気事業者変更状況に関する調査(2016年5月実施、18歳以上の男女12,522人対象)では、東京電力エリアで既に電力会社を変更したは9パーセント。具体的に変更を検討している電力会社がある人は、32パーセントとなった。また、変更時に最も重視する点としては、「電気代の安さ」「セット割引のお得さ」といった料金面が挙げられた。

 発電場所と使用場所の距離が短くなるほど、送電時のロスが小さくなる電力。エネルギーを無駄なく、効率的に利用することで、地球環境への負荷を減らすことにもつながる。そうした点も考慮し、新しい選択肢を活用していきたい。

(齊藤真菜)

最終更新:8月31日(水)8時0分

THE PAGE