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JPモルガンが自動車セールスに進出、「チェース・オート・ダイレクト」で車探しからローンまで

ZUU online 8/30(火) 9:10配信

米JPモルガン・チェースが「チェース・オート・ダイレクト」で、自動車セールス市場に進出する。米オンライン自動車ディーラー、トゥルー・カー(True Car)との提供で、消費者からの信頼が厚い国際大手のメリットを最大限に活かしながら、車探しからローンの申し込みまで一挙に行えるという便利で安心なサービスだ。

近年、FinTechスタートアップと協力しあうことで、精力的に事業に幅を持たせていくという戦略をもった大手が目立つ。

■自動車ローンの需要が急増中の米国

従来はディーラーの提携している融資会社か、あるいは個別に融資の申し込みが必要な自動車ローン。

米自動車ローン会社、パラゴン・ファイナンスが今年の夏に発表したレポートによると、6割のディーラーが「今年にはいって自動車ローンの申し込み件数が増えた」、そのうち4割が「大幅に急増した」と回答しており、需要が高まっているのは明らかだ。

しかしローン会社を探す二度手間を取りたくないことから、ディーラーの提携先から疑問をもたずに借りてしまう消費者が多いことも、様々なサーベイから明らかになっている。

こうした自動車ローン市場の成長と消費者の怠慢に、いち早く目をつけたのがJPモルガンの新商品である。

世界最大規模の資産を運用する国際大手の実績で、消費者に安心感を与えると同時に、新たな市場に切りこむ戦略がうかがわれる。

トゥルー・カーは2005年の設立以来、「オンラインで手軽に車探し」という利便性と、ネットワークを認定ディーラーのみで構成するという信頼性が消費者に高く評価され、現在は登録ディーラー1万1000人、メルセデス、ジャガー、ポルシェといった高級車から、フォードやホンダなどの家庭用自動車まで、幅広く取り扱う大手に成長した企業だ。

「チェース・オート・ダイレクト」の利用は、JPモルガンのウェブサイト「Chase.com」をベースに行われ、誘導先のトゥルー・カーのウェブサイトで欲しい車を探すシステム。返済法なども利用者側で選べるようになっている。

■銀行に人気のスタートアップ提携だが、第2四半期の投資は減少 

「チェース・オート・ダイレクト」の開始は、JPモルガンにとって最新の「FinTech提携プロジェクト」となる。

JPモルガンは今年4月にも、米中小企業向け大手融資会社、オン・デック・キャピタル(On Deck Capital)と提携しているが、そちらはあくまで提携先として裏方に徹しているのに対し、今回は購入から決済までを取り仕切る表舞台を担当する。

仏コンサルティング会社、キャップジェミニの調査からは、消費者間でFinTech商品への関心が高まるにつれ、スタートアップと提携する金融機関が増加していることが判明。

例をあげると、ウェルスファーゴ、メリルリンチが独自のロボアドを開発中であるほか、モルガン・スタンレーも興味を示している。

チャットボットを採用したシンガポールのDBS銀行、ヒト型ロボットでAI研究を進める豪コモンウェルス銀行など、世界各国を代表する大手銀行が、スタートアップの知識と経験をダイナミックに吸収している。

スタートアップにとっては潜在性を活かせる機会が増えたわけだが、第2四半期にはスタートアップへの投資が急激に落ちこんでおり、今年後半にかけての盛り返しが期待されている。

自動車ローンや中小企業向け融資のように、今後需要の伸びが見こまれている分野に重点を置くことが、厳しいスタートアップ競争で生き残る必須条件となるかも知れない。(ZUU online 編集部)

最終更新:8/30(火) 9:10

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