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妻の社会保険加入「年収106万円」で負担増どれだけ?

日刊ゲンダイDIGITAL 8月30日(火)9時26分配信

 今や共働き世帯が労働者世帯の6割を占める。そんな家庭では、パートや派遣で妻の働き方を調整しながら各種控除などを受けているはず。いわゆる年収103万円や130万円の壁だが、10月から社会保険の加入条件が年収130万円から106万円に引き下げられるのをご存じか。「聞いてないよ」と言っても、もう遅い。

「今回の引き下げには、条件が定められています。『勤務時間が週20時間以上』『1カ月の賃金が8万8000円(年収106万円)以上』『働く期間が1年以上の見込み』『勤務先の従業員が501人以上』など。要するに、大企業で働くパートや派遣などの非正規社員が対象です。その対象になった人が年収106万円を超えると、扶養控除から外れ、健康保険や厚生年金などの社会保険料を支払う必要があるのです」(霞が関関係者)

 社会保険財政はパンク寸前。近い将来、引き下げは中小企業にも拡大されるとみられる。

 では、負担は、どれだけ増えるのか。妻の年収が106万円で、東京都協会けんぽに加入とすると、健康保険料は月額約4400円で、厚生年金保険料は月額約8700円。年間約16万円で、夏休みの家族旅行がパーになるくらいのダメージだ。妻の扶養控除がなくなると、夫の所得税なども増えるから二重三重に痛い。

 ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏が言う。

「この制度の狙いは、厚生年金の保険料負担のない3号被保険者を減らして、負担のある2号に移行させ、将来的な年金財政を安定させるのが大きい。その理屈はもっともですが、当座、妻の年収が106万~130万円の家庭は世帯収入が目減りしかねません。妻がパートや派遣で働いている家庭は少なくないので、早いうちに家計のやりくりを話し合っておくことです。これからは“壁”を意識しないで、とにかく稼ぐという働き方が重要になってきます」

 たとえば、夫の年収を500万円として、妻の年収を3パターンに分けて比較すると〈表〉のようになる。130万円だと、100万円のときと比べて世帯の手取りは4万円増にとどまるが、160万円なら24万円増になる。

“壁”を意識するとつらくなりそうだ。

最終更新:8月30日(火)9時26分

日刊ゲンダイDIGITAL