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【7月米個人所得・消費支出】7-9月期最初の月は、所得、消費とも比較的好調なスタートとなったと判断

ZUU online 8/30(火) 18:10配信

■結果の概要:所得は予想通り、実質消費支出は予想を上回る

8月29日、米商務省の経済分析局(BEA)は7月の個人所得・消費支出統計を公表した。

個人所得(名目値)は、前月比+0.4%(前月改定値:+0.3%)となり前月から伸びが加速、市場予想(Bloomberg集計の中央値、以下同様)の+0.4%に一致した。一方、個人消費支出(名目値)は、前月比+0.3%(前月改定:+0.5%)とこちらは前月を下回ったものの、市場予想(+0.3%)に一致した。

価格変動の影響を除いた実質個人消費支出は、前月比+0.3%(前月改定:+0.4%)と、+0.3%から上方修正された前月値は下回ったものの、市場予想(+0.2%)を上回った。貯蓄率1は5.7%(前月:5.5%)と前月から増加した。

価格指数は、総合指数が前月比横這い(前月:+0.1%)と、前月から伸びが鈍化、市場予想(横這い)には一致した。また、変動の大きい食料品・エネルギーを除いたコア指数は、前月比+0.1%(前月値:+0.1%)と、前月および市場予想(+0.1%)に一致した。なお、前年同月比では、総合指数が+0.8%(前月:+0.9%)、コア指数が+1.6%(前月:+1.6%)となり、総合指数は前月から低下、コア指数は前月に一致した。

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1 可処分所得に対する貯蓄(可処分所得-個人支出)の比率。
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■結果の評価:消費余力を残す形で消費の底堅い伸びが持続

4-6月期GDPにおける個人消費は前期比年率+4.4%(前期:+1.6%)と高い伸びとなったが、7-9月期最初の月となる個人消費支出は6月を下回ったものの、比較的好調なスタートを切ったと言えよう。

さらに、貯蓄率が4ヵ月ぶりに増加に転じており、所得の底堅い伸びが持続する中で消費は所得対比で抑制されているため、消費は余力を残しており、今後の消費の伸びが期待できる状況となっている。

個人消費を取り巻く環境は、6月から2ヵ月連続で雇用者数の増加が月間20万人超と順調な伸びを示しているほか、これまで回復が捗捗しくなかった賃金についても7ヵ月連続で前月比の伸びがプラスになるなど、漸く回復基調が鮮明となっており、労働市場の回復が消費を拡大させる構図に変化はない。

さらに、1-3月期の消費不振の遠因ともなった株式市場の動向も、6月下旬こそ英国のEU離脱決定を受けて不安定となったものの、足元では最高値圏での推移となっており株式市場の動向が消費マインドの悪化を通じて消費に影響する状況とはなっていない。このため、当面消費は労働市場の回復を素直に反映して底堅い伸びが持続するとみられる。

物価は、エネルギーと食料品価格の下落が、総合指数を押下げている。もっとも、原油価格は昨年6月にピークをつけた後、年末まで下落基調となっていたことから、現状の40ドル台後半で推移しても、前年比でみた物価押下げ効果は逓減すると見込まれるため、総合指数は今後緩やかに上昇に転じると予想される。

一方、コア指数は5ヵ月連続で前年同月比+1.6%の水準となっており、こちらも加速がみられないことから、総合指数が上昇したとしても、コア指数でみた物価上昇圧力は今後も抑制された状況が持続するとみられる。

■所得動向:賃金・給与の底堅い伸びが持続

個人所得の内訳をみると、賃金・給与が前月比+0.5%(前月:+0.5%)と2ヵ月連続で高い伸びとなり、所得の増加に寄与した。一方、利息・配当収入は+0.3%(前月:▲0.2%)と前月からプラスに転じた。

個人所得から社会保障支出や税負担などを除いた可処分所得(前月比)は、名目値が+0.4%(前月改定:+0.3%)と、+0.2%から上方修正された前月改定値を上回ったほか、価格変動の影響を除いた実質ベースは+0.4%(前月改定:+0.2%)と、こちらも+0.1%から上方修正された前月改定値から伸びが加速し、15年12月(+0.5%)以来の高い伸びとなった。

■消費動向:前月から伸び鈍化も、自動車関連が伸びを牽引

名目個人消費(前月比)は、財消費が前月比+0.2%(前月:+0.5%)、サービス消費が+0.4%(前月:+0.6%)と、財、サービス消費ともに前月から伸びが鈍化した。

財消費の内訳をみると、耐久財が+1.6%(前月:+0.3%)と前月から大幅に伸びが加速する一方、非耐久財が▲0.5%(前月:+0.5%)と、前月からマイナスに転じた。耐久財の加速は自動車・自動車部品が+4.5%(前月:▲0.9%)と前月のマイナスから大幅なプラスに転じたことが大きい。

一方、非耐久財はガソリン価格の下落もあってガソリン・エネルギー関連が▲3.7%(前月:+1.8%)と前月から大幅なマイナスとなったほか、衣料・靴▲0.1%(前月:+0.5%)もマイナスに転じた。さらに、食料・飲料は▲0.3%(前月:▲0.1%)と2ヵ月連続でマイナスとなった。

サービス消費は、住宅・公共料金が+0.6%(前月比:+0.7%)、医療サービスが+0.2%(前月:+0.3%)となるなど、全般的に伸びが鈍化した。

■価格指数:エネルギー、食料品価格が物価を押下げ

価格指数(前月比)の内訳をみると、エネルギー価格指数が▲1.8%(前月:+1.5%)と5ヵ月ぶりにマイナスに転じた。一方、食料品価格指数は▲0.1%(前月:▲0.2%)と、こちらは3ヵ月連続でマイナスとなった。

前年同月比では、エネルギー価格指数が▲11.7%(前月:▲10.0%)と、3ヵ月連続で2桁のマイナスとなった。一方、食料品価格指数は、▲1.2%(前月:▲0.9%)と、15年12月以降、概ね物価を押下げる状況が持続している。このようにエネルギー、食料品価格下落が物価を押下げる状況が持続している。

窪谷浩(くぼたに ひろし)
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 主任研究員

最終更新:8/30(火) 18:10

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