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サンゴ白化、バクテリアが一因 静岡大研究チーム解明

琉球新報 8月30日(火)15時17分配信

 【本部】静岡大学の鈴木款(よしみ)特任教授、カサレト・ベアトリス教授らの研究チームは、サンゴの白化現象にバクテリアが影響していることを初めて突き止めた。海洋性のバクテリアだけでなく、赤土などと共に海に流れ出た陸上のバクテリアもサンゴ自体やサンゴ内に住む褐虫藻を攻撃し、白化をもたらしている可能性があるという。鈴木特任教授は「海水温上昇は人間がなかなか制限できるものではないが、赤土が流れ出るのは制限できる」とサンゴ白化の拡大の歯止めに向けて警鐘を鳴らしている。


 白化に深く関与しているとされるビブリオ、パラコカス、トレポネマの3種のバクテリアは30度以上の高水温で影響することが確認された。サンゴの生息する海水から陸起源のバクテリアはほとんど検出されず、食物連鎖を通して海生生物の体内でバクテリアが濃縮されてサンゴに感染している可能性があるという。


 鈴木特任教授によると、褐虫藻が海水温上昇によってサンゴから逃げて白く見えることがサンゴの「白化」だとこれまで考えられていたが、最新の研究結果ではサンゴの外に出る褐虫藻は0・5%以下だという。

 32度以上の水温では、褐虫藻は縮小したり透明になったりし、排せつ物としてサンゴの外に放出される。褐虫藻の生息に最適な水温(27~28度)では、サンゴが正常な褐虫藻を一部放出することが確かめられた。カサレト教授は「サンゴの褐虫藻排出は通常の生理活動で、サンゴの白化とは関連が低いことが明らかになった」としている。

 実験は静岡大学と本部町瀬底の琉球大学熱帯生物圏研究センターで7月14日から今月25日まで行った。9月にも来県し、バクテリアの媒介の仕組みなどを確認する研究を行う。詳細な分析結果をまとめ、12月に那覇市で開催されるサンゴ礁学会で発表する予定だ。

琉球新報社

最終更新:8月30日(火)15時17分

琉球新報