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【特集】インティ・クリエイツ社長に訊く『ガンヴォルト』誕生秘話…目標本数はない、だから好きに作れ

インサイド 8月30日(火)20時0分配信

『ロックマンゼロ』シリーズをはじめ、多彩なタイトルを手がけてきたインティ・クリエイツ。アクションゲームの開発はもちろん、『ぎゃる☆がん』シリーズなど新たなゲーム性や刺激溢れる作品に着手していることでも知られています。

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また2014 年には、初パブリッシュタイトル『蒼き雷霆(アームドブルー) ガンヴォルト』を配信。アクション初心者と上級者をそれぞれ楽しませるゲームデザインを導入し、より幅広いユーザー層から支持を受け、大きな話題を集めました。

この人気はゲーム本編のみならず、コンサートの開催やサウンドトラックCD の発売などへ繋がり、また新要素を加えた続編『蒼き雷霆ガンヴォルト爪(そう)』のリリースにも結びつきます。しかも『爪』の発売と同時に、前作とセットになったパッケージ版「ストライカーパック」を販売。自社パブリッシュのみならず、フィジカルパッケージの発売も成し遂げました。

創立20 周年を迎え、着実な躍進と大きな飛躍を達成してきたインティ・クリエイツ。発売されたばかりの『爪』や、着々と進行しているアニメ版『ガンヴォルト』など、魅力溢れる展開も続いていますが、そんな同社がいかにして『ガンヴォルト』を生み出したのか。また今後どのような躍進を遂げるのか。開発スタイルや秘めた魅力などに迫るべく、代表取締役社長の會津卓也氏に直接伺いました。

◆『ガンヴォルト』制作に込められた會也氏の意図
──まずは『蒼き雷霆(アームドブルー) ガンヴォルト』の開発がどのように立ち上がったお聞かせ願えますか? 「部活」のような形で動き出したと小耳に挟んだのですが。


會津氏:部活というと、ちょっと誤解を招くかもしれませんね。少し長い話になりますが、弊社は受託業務が主だったため、“期限に間に合わせればいい”という開発のやり方になっているんじゃないかなと、当時そう考え感じたタイミングがあったんです。

もちろんみんな、そんなことは意識せず、それぞれモチベーションや目標を持って開発に当たっていると思います。ただ、なんというか……「昔、我々が作っていた時ってもっと熱かったよな!」みたいな、そんな風に感じてしまった時があったんです。

これを払拭するためには、何かオリジナル作品の企画を打ち出し、そのタイトルを制作していく中で“熱い想いを思い出して欲しい”、または“そんな開発現場を直に味わって欲しい”と思ったので、まずは津田に「何か作りたいタイトルがあったら、今手が空いている人を使って、ちょっとゲームを作ってみない?」と持ちかけたのが最初の一歩なんです。

──「なんでも好きなもの作っていいよ」って、すごく贅沢な状況ですよね。

會津氏:「じゃあ作ってみますね」と津田が返答して、少人数でちょこちょこと作り始めたのが、『蒼き雷霆ガンヴォルト』でした。とはいえ、ある程度出来てきたらちゃんとしたチーム編成にするのかなと思っていたんですが、結構ダラダラと作っているんですよね(笑)。

──ダラダラと(笑)。


會津氏:いつまで作っているんだろと思って(笑)、役員会とかで「結構工数使っちゃってるよ」みたいな話をするんですが、「えっと、まだ、もうちょこっと」みたいな返事で(笑)。しかも、「會津さんに話してあるので、會津さんに聞いて下さい」とか言うんですが、私は何も聞いてないんですよ(笑)。

そういう話を繰り返していたんですが、ある程度時間が経ったので、「そろそろ出しましょう」と設定したのが2013年の冬くらい。「それなら充分間に合います」と津田も言ったんです(笑)。

で、2013 年の夏くらいにプレイアブルなものを作って年末までに完成させる、それに合わせて任天堂さんに(3DSで)動いているものや企画書を持っていったりと、色々予定を立てたんです。年末には出来ると言っていたんですけど、クリエイターの発言を鵜呑みにするマネージャーはいないわけで(笑)、「年明けくらいですかね」みたいな話を任天堂さんにしていました。

そしたら「年明けちょっと厳しいです」と言われ、3月末には全部入るでしょうという話になりました。ちょうど3月頭に京都でインディーゲームの祭典「BitSummit」があったので、タイミング的によかったと思い電撃発表したところ、「3月末なんかに出来るわけないじゃないですか」って話に(笑)。そしてなんだかんだで延びていき、2014年8月20日に配信することができました。

こういう形だったので、部活というよりは、「自分たちの作りたいものも、モチベーションを持って取り組む」という熱い開発をやって欲しくて立ち上げたチームだったんです。で、この狙いは見事に当たって、次から次へ「やりたいことをやる」という力を発揮してくれましたね。元々そういう人たちだったというのは大前提で、『ガンヴォルト』がいいきっかけになってくれたと。

ただ狙いが当たりすぎて、「いつまでも作り続けるゲーム」でもありましたが(笑)。そういう弊害もありましたが、こういった経緯で『蒼き雷霆ガンヴォルト』が生み出されました。……開発メンバーからしたら、「えっ、そんな思惑だったの!?」と言われるかもしれませんが(笑)。私としては思惑がうまくハマってくれて満足なんですが、同時に「物事には限度がある」と学びました(笑)。

──成果と共に、反省点もあったと(笑)。

會津氏:しかも、『1』よりも『2』の方が、限度がないという結果に(笑)。

──ゲームは進化し、反省点も拡大したんですね(笑)。

會津氏:このノリで『3』を作るのは危険だな、と思っています(笑)。ただクリエイターとしては、非常にノリにノッた開発をしてくれました。そのため、計画通りであると同時に予想以上のものが生まれて、ありがたいばかりです。


◆自社パブリッシュに「目標本数はない」
──パブリッシャーになりたいという気持ちは、いつ頃からお持ちだったんですか?

會津氏:インティ・クリエイツはもともと、「自社パブリッシュをしよう」を目標に立ち上げた会社なんですよ。当時11人のメンバーで立ち上げたんですが、企画やプログラム、グラフィックもいて、サウンドまで内部にいました。オールインワンで立ち上げていたので、最初はお金がないので受託だけども、お金が貯まって余裕が出てきたら自社パブリッシュをしようと思いつつやっていました。

しかし(ゲーム制作に対して)こだわりがありすぎて、開発期間を丸々使ってしまうんですよね。限界までやってマスターを入れよう、という形でやっていたら、お金なんて貯まるわけないですよね(笑)。そんなスタイルをずっと続けていたので、目標としていた自社パブリッシュが実現したのは、20 年後のことでした。

正確には18年目くらいにデジタルパブリッシュを始めて、20 年という節目にようやくフィジカルパッケージを自社パブリッシュできるタイミングが訪れました。比較的リスクの少ないデジタルパブリッシュでリリースした『蒼き雷霆ガンヴォルト』が、開発陣のこだわりによって非常に良い出来だったためユーザーさんの支持を集めることができ、想
像以上に販売数が伸びたことがフィジカルパッケージに繋がりました。

ただ、この形に辿り着けた理由には、『ガンヴォルト』以外の要因もあります。その他のタイトルを手がけているメンバーも脂が乗ってきて、開発期間を守ってクライアントさんのクオリティを満たしてきたため、『ガンヴォルト』を開発できる土台が整ったからなんです。
例えば、ほかのチームの開発がダラダラと延びてしまうと、折角出た利益が食われてしまうわけです。そういうことがなく、かつ『ガンヴォルト』の売り上げがしっかりと残ったので、続編となる『爪』でフィジカルパッケージという自社パブリッシュが実現しました。

──自社パブリッシュの実現は、本当にいいことですよね。


會津氏:そうですね。でもまあ、この奇跡のタイミングがもう一度来るのかと聞かれると、よく分からないですね(笑)。一回パブリッシュしたからといって、今後パブリッシャーとして常に続けていけるかと言えば、そういう会社ではないので。

仮に、会社の体制を根本的に変えられるほど『爪』が売れてしまう、ということがもしあれば、じゃあ今後は(パブリッシャーとして)やっていこう、という話になるかもしれません。そうでもない限り、基本的に今まで通り受託タイトルをしっかりやりつつ、隙を見て自社パブリッシュを出す、という形になりますね。

──状況を踏まえた上で挑戦を続ける、ということですね。

會津氏:自社タイトルって、言ったら博打じゃないですか。自社タイトル作りました、売れませんでした、倒産しました、という訳にはいかないので(笑)。となると、自社タイトルが売れようが売れまいが関係ない、という形で計画せざるを得ないんです。

そのため、絶対に達成しないといけない販売本数とかはないんですよね。「これくらい売れたらいいよね」というのはもちろんありますが、「これだけ売れなかったら倒産します」という作り方はしていないので。

実際に売っていく上では、販売目標本数を設定せずに展開するのはあり得ないので、設定自体はするんですが、絶対に達成しないといけないわけではなく、いくら売れようが売れまいが関係ないという状態なんです。だから、作り手が作りたいものを作り、その上で売れたらいいよねという形で『ガンヴォルト』シリーズを生み出しました。今後もその形だと思います。

「このタイトルはこれだけ売ろう」という計算をして取り組むというのは、自社パブリッシュに関してはありませんね。


◆ファンアイテムをもっとも届けやすい形が「限定版」だった

──今回は、前作と『爪』がセットになった「ストライカーパック」が発売されたので、初めて『ガンヴォルト』を遊ぶという新規ユーザーは増えそうですね。

會津氏:こんなことを言ったら作っている人間に失礼かもしれないんですが、前作の『1』はすごくよく出来ていたんですよ。私個人も素晴らしい作品だと感じていたので、「これを超える作品を作るのは難しいんじゃないかな」と思っていたんですよ、実は。

この素晴らしい『1』をたくさんの人に遊んでもらえれば、おのずと『2』も気に入ってくれるだろう。そういう頭だったので、そんな私の打算も入っているんですよ、「ストライカーパック」には。「『1』をもっと遊んでもらいたい。そのためには、『2』に『1』をつけよう」という考え方が詰まった製品なんです。

でも蓋を開けてみたら、『2』の方が面白いんですよ。「こりゃ『1』とパックにしなくてもよかったかなー」ってなりました(笑)。そんな風にも思っていますが、あと物語のあるものなので、『1』から『2』へと自然な流れで遊んでもらえる「ストライカーパック」は、価値のある製品だなと感じています。もちろん、『2』から遊んでも充分面白いのは間違いありません。ゲーム性は『2』の方が上回っていると思っていますし。

──ちなみに「ストライカーパック」には限定版もありますが、この構想はいつ頃からあったのでしょうか。また、限定版を用意した理由を教えてください。

會津氏:最初に広報の中川滋と話をした時に、「限定版をやりたい」「これは外せない」と言いました。そのおかげで、かなり大変な目に遭ったんですが(笑)。限定版をやりたかった理由としては、モノを付けたかったんです。今回用意したドラマCD や設定資料集、これを付けたかったんです。

デジタルで販売すると、こういったアイテムは付けられないじゃないですか。デジタルでソフトを購入した方に郵送するというのは、輸送費の面で考えても現実的ではないですし。ですがパッケージであれば、流通さんが限定版の付属品も一緒に流通してくれるわけですよ。購入してくれた方にアイテムを渡しやすい形です。これはフィジカル版でないと出来ないわけです。

なので、フィジカル版をやるのであれば、ファンアイテムを用意したいという想いがありました。『ガンヴォルト』シリーズは物語性やキャラクター性が非常に強いので、その魅力をより掘り下げた特典物やグッズを欲しがっている人が多いんです。


例えばグッズを作り、弊社の通販サイトであるインティダイレクトで売ったらどうだとも考えたんですが、会員数はそんなに多くないんですよ。数字は言いませんし、実は多いかもしれませんが(笑)、ここは控えめに「そんなに多くない」と言っておきます。

そして、会員向けの生産数という前提で、お客さんに満足してもらえるものが作れるのか……となると、難しい話になってしまいます。作れたとしても、非常に高い価格になってしまいますから。ちなみに今回の限定版は、+2000円でドラマCD と設定資料集が付いてきますが、あのドラマCD を単品で作って売ったら2000円で販売する形になります。設定資料集めの方は、1200~1500円ですかね。それを、ゲームとセットという形ならもっと安く提供できるわけです。そのため、お客さんが求めているものを、なるべくダイレクトに提供するには限定版が一番良いだろうという結論に至ったわけです。

──ユーザーさんの要望を、より低価格で実現できる手段が、パッケージによる「限定版」だったんですね。

會津氏:はい。パッケージ版じゃないと出来ないことなので、パッケージ版をやりたい一つの要因でしたね。パッケージ版をやるなら必ず限定版を作りたいと、ずっと考えていました。

──なるほど、だからこうして実現したわけですね。……そして、大変な目にも遭ったと(笑)。

會津氏:そうなんですよ(笑)。ちょっとだけ話をすると……通常版だけだったら、任天堂さんの方で生産・出荷し、そのままお店に並ぶわけですよ。でも限定版があることで、「限定版を梱包する工場」に入れる工程が発生します。その結果、通常のスケジュールよりもマスターアップが早まるんですよ。

さきほどもお話した通り、我々のクリエイターは非常にこだわり屋が多く、開発期間をいっぱいいっぱい使うわけです。そうすると、「一日でも長くゲームを作りたい」「一日でも早くマスターアップしてもらい、梱包しなければならない」というスケジュールのせめぎ合いが出てきまして。弊社はビギナーパブリッシャーなので、そこの調整が非常に重い作業でしたね。中川がやってくれたので何とかなりましたが、本当に大変でした。

この限定版が、発売日にお客様の手元に届いたのは、語っちゃいけない色んな人のご助力がいっぱいあったおかげです!(笑)

──おお、そんなことが(笑)。

會津氏:限定版が発売日に出るのは、まさに奇跡のタイミングでした。ただ、ここは胸を張って言えることなんですが、どこも妥協はしていません。間に合わせるための妥協はせず、かつ発売日に間に合うというのが重要なところです。ゲーム内容も、限定版の特典物も、一切妥協はありません。

──ゲーム内容はもちろんのこと、限定版のクオリティもかなり高いものなんですね。

會津氏:今回の限定版は、本当にお得ですよ。本音を言えば、あと+1000円で売りたかったので(笑)。でも価格設定は、最初に考えた通りに貫きました。実物を手に取った時に、そう考えてしまったほどのクオリティだった、と思っていただければ。


◆ライトノベル「学園ガンヴォルト」とは? 気になる今後の展開に迫る

──今後の展開のひとつと言えば、『蒼き雷霆ガンヴォルト』のアニメ化も大きなポイントですよね。

會津氏:よりたくさんの方に作品を知ってもらう手段として、アニメ化に踏み切ったという面もあります。いわゆる、広報的な面ですね。ただ一番重要なのは……我々はアニメが好きなんです(笑)。自分たちが作った作品がアニメになったら嬉しいじゃないですか。ただそれだけです(笑)。

──シンプルですね(笑)。

會津氏:自分たちが作ったこの作品、誰もアニメ化してくれないな。よし、じゃあ自分たちでやろう! みたいな(笑)。そして同時に、より多くの方々に知ってもらう一助になればと、この2 点がアニメ化に臨んだ理由ですね。

あとすごく有り難いことに、『ガンヴォルト』の世界やキャラクターを好んでくれる方々がおり、喜んでいただけるという予感があったので(アニメ化に対して)躊躇はありまでんでした。

──何分くらいのアニメになるのでしょうか?

會津氏:基本的には、TVアニメ一話分くらいの感じになると思います。ゲーム自体が、価格面も含めてインディーなラインでやっているので、アニメの方もすごく高い値段で売ろうとは考えていません。元々、オンデマンド配信を中心に進めており、想像してもらえるくらいの金額で見て頂けると思います。

あと、まだ任天堂さんと話をしてないので本決まりではないんですが、eショップで先行配信をしたいと考えています。e ショップでゲームを買った方々が、eショップでアニメ映像を購入する、という流れですね。なので、eショップで販売されている他の映像作品と大差ないくらいの金額で提供できないかなと模索しています。……と言って、高くなったらごめんなさい(笑)。

──アニメの価格も、妥協なしにしたいと。

會津氏:アニメで儲けようという腹があまりないので、皆さんに楽しんでいただけるものを提供したいと思っています。『ガンヴォルト』は、津田とか荒木、山田、畠山さんや田井といったメンバーが一生懸命構築した世界ですから、なるべく多くの方々に楽しんでもらえるような土壌作りになればなと。

──今回のアニメはデジタルという形ですが、ドラマCDや設定資料集と同じく、ユーザーさんに届けたいファンアイテムのひとつとも言えるわけですか。

會津氏:そしてデジタルは、画質やサービス停止に伴うアクセスの難しさといった問題もあるので、実際のモノとして手元に残しておきたいというファンのために、DVD やBlu-ray を少量ながらも生産するという考えも視野に入れています。基本的にはオンデマンドが中心になるのは変わりませんけどね。

──まずはデジタル版が配信され、その後フィジカルなものがリリースされる可能性があるんですね。ちなみに、アニメ化以外で考えている『ガンヴォルト』の展開などはありますか?


會津氏:実は、一番にやりたかったのは小説なんですよ。「ライトノベル2D アクション」と言っているのにノベル(小説)がない、っていうのはどういうことだと(笑)。なので、ラノベ化がやりたいんですけど、妥協したくない部分がありまして、できればシナリオライターの田井に書いてもらうか、少なくとも大きく監修してもらった上でやりたいんです。

ですが田井はゲームの制作に関わる人間なので、彼がラノベを書いている間、『ガンヴォルト』の制作が止まるわけですよ。その結果、ファンが楽しみにしている続編を待たせてまでラノベを作るのか、というジレンマが生まれまして。とはいえ、田井が関わっていないラノベが出ても、それは作品としていいのかと。そんな悩みに挟まれ、ラノベを出せずに今日に至ります。

──その悩みが、『1』をリリースしてからずっと続いているわけなんですね。

會津氏:とはいえ、『2』でシナリオの量が倍になったため、田井だけでシナリオをこなすのが難しくなってきました。そのため社内でも、『ガンヴォルト』のシナリオに携わる人間が増えてきまして。例えば、今回テセオというキャラがいるんですが、そのミッション中の台詞の一部は田井以外の人間が書いています。

インティ・クリエイツでずっとシナリオを書いていた人間が、『ガンヴォルト』という作品のテイストをしっかり租借して、「私も『ガンヴォルト』を作りたい」と制作に入る流れも生まれてきているので、田井が全てを書かなくても『ガンヴォルト』という作品が形作られていく可能性があるなと思っています。もちろん田井が監修を行う前提ですが、ノベルなどの展開もあるのではと考えています。まだお約束はできませんが。

──あくまで可能性が見えてきた、というお話ですね。

會津氏:ちょっとした短編は少しずつ発表させていただいているので、それをまとめたものかもしれませんし、長編ノベルかもしれませんしね。形も未定です。

映像に関しては、ゲームに通じる部分もあったため、我々も熟知しているオンデマンドという形をまず選択しましたが、ノベルなりコミックなりを考えた場合、書籍化という線も視野に入れています。なにぶん古い人間なので(笑)、「デジタル」よりも「本」という気持ちがどこかありまして。

──ノベル化されたら、ゲーム本編では触れられていない部分の掘り下げにも期待してしまいますね。日常の物語とか。

會津氏:その辺りも、結構要望をいただきます。社内でも「学園ガンヴォルト」と呼ばれていまして(笑)。GVは、昼は学校に通っている14 歳の少年なので、メガネをかけた目立たない少年として学園生活を送り、夜はコンタクトをしてスーツに身を包み、ナイトストライカーとして暗躍する。この学園生活と夜の活躍が対比となるのが、「学園ガンヴォルト」です。通称まであるのに、ちっとも実現してませんが(笑)。

──「学園ガンヴォルト」、読んでみたいですね。

會津氏:「学園ガンヴォルト」が皆さんのお手元に届く時には、多分ラノベやコミックもあるんじゃないかなと思います。

──では、新たな展開が発表されるのを楽しみにしつつ、『爪』や「ストライカーパック」をのんびり遊んで欲しい、と。


會津氏:あ、「ストライカーパック」と言えば、全ての世界観を知ろうと思って遊び込もうとすると、多分60時間くらい遊べるんです。それくらい遊ばないと解放に繋がらないような仕掛けがちょっとだけありまして。そう大したものじゃないかもしれませんが、ユーザーさんによっては何よりも重要に感じるものかもしれません。

──それは、どういった内容のものなんですか?

會津氏:後日談、のようなものですね。

──それを見るのに、60時間なんですね。

會津氏:一般的な腕前だとそれくらいですね。社内の上手い人間だと……30時間くらいだったかな。

──腕前に左右される要素なんですか?

會津氏:腕前によって達成するまでには、当然個人差があります。

──なるほど、心得ておきます。

會津氏:それと、今回も真エンドがあります。条件はまだ言えませんが。

──前作に引き続き、今回もあるんですね! ちょっとしたヒントだけでもお聞かせ願えませんか?

會津氏:いや、それはまだちょっと(笑)。色々と新しいことに挑戦して、頑張ってクリアしてください。

──分かりました、頑張ります(笑)。それでは最後になりますが、『ガンヴォルト』が『1』から『2』にステップアップしたように、これからのインティ・クリエイツが目指す新たなステップを教えてください。

會津氏:今回フィジカルパッケージが出せたので、お客さんに届ける、そして触れ合う機会が増えたと思います。例えば店頭体験会もそうですし、なんらかのショーやイベントもそうですし。

デジタル版ではできなかった触れ合いの場が増えており、その分距離も縮まったのかなと実感しています。といっても、「デジタルだとできなかった」というわけではなく、フィジカルの展開だからこそ気付いた点があり、それをデジタルで出す時に応用できればと考えています。

これからもフィジカルはやっていきたいんですが、フィジカル・デジタルに拘らず、何かしら自社パブリッシュタイトルを続けていきたいと思っています。フィジカルは、やりたい気持ちもある反面、リスクもありますから。リリース形態はともあれ、自社オリジナルコンテンツを今後も作り続けていくので、次の作品の発表も期待していてください。

──ちなみに、インティ・クリエイツさんとユーザーさんが直接触れあえる次の機会は、東京ゲームショウになりますか?

會津氏:はい、そうです。是非、インティ・クリエイツブースに遊びに来てください。何かしらのノベルティグッズを用意して、お待ちしております!

──そちらも楽しみですね。本日はありがとうございました!



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最終更新:8月31日(水)11時34分

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