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4年目北條、飛躍の裏にある阪神の新育成システムと超変革の融合

デイリースポーツ 8月30日(火)11時0分配信

 阪神の遊撃の定位置をつかみつつある北條史也内野手(22)にスポットを当てる。光星学院からドラフト2位で入団し4年目。昨季まで1軍出場はわずか1試合ながら、今季はすでに101試合に出場した。2軍で指導にあたった首脳陣ら、球団関係者の証言から、北條の足跡を探っていく。

 阪神の若手野手は育たない-。近年、阪神のファームはそう揶揄(やゆ)されてきた。そんな声を覆す活躍だ。高卒4年目の北條が阪神育成システムの成功例になりつつある。

 12年度ドラフト戦略はシンプルだった。球団関係者は「安全にいくよりも、その年の一番いい選手を獲得するという方針。あの年、投手であれば藤浪、野手は北條だった」と振り返る。くじ引きを恐れない姿勢でドラフト会議に臨み、1位で藤浪を4球団競合の末に獲得。鳥谷の後継者として、野手ナンバーワン評価の北條も2位で獲得できた。高校生が上位1、2位を占めるという珍しいドラフトとなったが、「同じレベルであれば甲子園で活躍した選手を獲る」という明確な戦略があったという。

 高校通算25本塁打。12年夏の甲子園では、2打席連続バックスクリーンへ放り込んだ。スラッガーとして鳴らした北條だが1年目はプロの壁にはね返される。投手の球のキレ、打球のスピードに戸惑い、夏場には体重が激減した。それでも当時の平田2軍監督(現1軍チーフコーチ)はスタメン起用を続けた。

 平田チーフコーチ「フロントとの戦略で、選手をどうするか、トレーニングを含めて相談して、プランを立てながらやっていた。日本ハムや他のチームも参考にしながらね。その中で、1年目からほとんど全試合に出した。北條は痛い、かゆいを言わない。そういう練習できる才能があったからね」

 現場、フロントが一体となって「ポスト鳥谷」として北條の育成プランを推し進めた。育成に定評のある日本ハムをお手本に、育成システム改革に着手。プロ1年目は打率・199、1本塁打ながら84試合、266打席に立たせ、2年目は102試合396打席。3年目は112試合463打席と出場機会を増やしていった。同年10月のみやざきフェニックス・リーグでは遊撃以外に二塁、三塁にも挑戦。平田コーチが「過去のフェニックス・リーグでは大和がセンター、原口がサードを守ったんだ」というように、1軍へ送り出すため、複数のポジションを守れるよう準備した。

 当時の掛布DC(現2軍監督)の指導によって、打撃も開花させていく。14年は2本塁打ながら打率・259、出塁率・367をマーク。長打力も伸ばし、3年目は初の2桁10本塁打を放った。

 掛布2軍監督「北條には体をレベルに使うということを言ってきたね。あとは体調管理。夏場になると体重が落ちていたから。体の芯はもともと強い選手だからその辺りもよく言ってきた。もっと早く1軍に出るべき選手なんだ。僕はずっと推薦してきたけどね。教育リーグで4割近く打ったんだよ」

 掛布2軍監督に言わせれば、1軍デビューは遅いぐらい。2年目春の教育リーグは打率4割超をマークし、ブレークの兆しを見せていた。だが、同年の1軍昇格は持ち越され、3年目も1軍出場は1試合だけ。2軍暮らしが続く中、昨秋誕生した金本監督新体制によって、ようやくチャンスが訪れる。

 今季どうして北條が台頭できたのか-。関係者が口をそろえるのが、金本監督の若手積極起用だ。1軍本格デビューの準備が整いつつあった北條の存在は「超変革」のスローガンにもマッチ。キャンプ、オープン戦とアピールし初の開幕1軍入り。三塁、二塁で存在感を示すと、鳥谷の不振も重なり、最近は遊撃でのスタメン出場を続けている。

 もちろん、まだ定着したとは言えないが、これまでの育成に風穴をあけたのは事実だ。現在1軍では高卒7年目の原口、同6年目の中谷も活躍。大卒の江越、高山、坂本らに負けじと高卒野手も戦力になっている。

 ドラフト改革から始まり、現場とフロントが一体となった育成システム改善。そして、金本監督の超変革起用によって、チームは着実に生まれ変わりつつある。右肩上がりの成長を描ければ、北條が新しい阪神の象徴になるかもしれない。

最終更新:8月30日(火)11時52分

デイリースポーツ

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