ここから本文です

稀勢の里 敬遠していた白鵬と出稽古も

東スポWeb 8月30日(火)16時42分配信

 大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新番付が29日に発表され、3場所連続で綱取りに挑む大関稀勢の里(30)は東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で会見し「(重圧は)今に始まったことじゃない。10年以上幕内にいるし、集大成だと思う」と意欲を見せた。一方で、本番までに横綱白鵬(31=宮城野)に稽古で胸を借りることも示唆。これまで稀勢の里が“敬遠”を続けてきた相手だけに注目が集まる。

 稀勢の里は「悔いの残らないような相撲を取りたい。(綱を)早く自分の手でつかまないと」と悲願の初優勝と綱取りへ向けて決意を口にした。

 5月場所は13勝の好成績を挙げながらもV逸。7月場所は12勝で優勝にわずか1勝及ばなかった。稀勢の里は2場所連続で賜杯を逃した要因について「優勝した力士に直接対決で負けている」と自ら分析する。

 実際に5月は白鵬、7月は横綱日馬富士(32=伊勢ヶ浜)に直接対決で完敗。逆に言えば、いくら好成績を残しても横綱の壁を乗り越えない限りは賜杯をつかみ取ることはできない。そんななか、稀勢の里は今場所前に出稽古で白鵬や日馬富士に胸を借りることについて「それも一つ(選択肢として)あると思う」と示唆。綱取りに挑んだ過去2場所では見られなかった発言だ。ただ、具体的な時期や相手については言及しなかった。

 これまでの稀勢の里は出稽古で横綱に胸を借りに行くことには消極的で、とりわけ白鵬に対しては明らかに“敬遠”しているフシさえあった。最後に白鵬と稽古をしたのは、一昨年の1月場所前までさかのぼる。この時も稀勢の里からではなく、白鵬のほうから出稽古に来たものだった。先場所前も「白鵬と稽古? ないですね。充実した稽古ができてますから」とキッパリと否定していたほどだ。

 7月31日に死去した前九重親方(元横綱千代の富士)が稀勢の里について「一番強い人(白鵬)と稽古をやらなければダメだ」と、ことあるごとに指摘していたことは有名だ。実力差がある以上、本場所の「一発勝負」だけでは分が悪いのは明らか。“昭和の大横綱”が言いたかったのは、稽古で何度も胸を合わせなければ攻略の糸口は見つけられないということだろう。

 先場所は千秋楽に12勝目を挙げて辛うじて綱取りがつながったものの、今後も永遠にチャンスが続くわけではない。稀勢の里は自ら“封印”を解いて最強横綱のもとへ出向くのか。その動向に注目だ。

最終更新:8月30日(火)16時42分

東スポWeb