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SMAP映像を観るタモリの表情にはどんな意味が……。Mステを定点観測すれば、今のJ-POPシーンがわかる!

M-ON!Press(エムオンプレス) 8/30(火) 22:43配信

音楽ブロガー・レジーが、「ミュージックステーション」の放送内容を基に最新のJ-POP事情についてお届けする連載「月刊 レジーのMステ定点観測」。8月のMステは2回の通常放送(12日、19日)に加えて、26日に2時間スペシャルの放送がありました。オリンピックのおかげで慌ただしかった印象のある8月でしたが、まずはそれに関連するこんな話題からどうぞ。

タモさんと仲良しミュージシャンのMVはこちら

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■「Mステ」は時代を写す鏡(1):ELEVENPLAY x Rhizomatiks Research

26日の放送に登場したELEVENPLAY x Rhizomatiks Research。ELEVEN PLAYはPerfumeやBABYMETALの振り付けでお馴染みのMIKIKOが率いるパフォーマンス集団で、Rhizomatiks Researchは様々な最新技術を駆使して新しい表現のあり方を追求しているクリエティブチームです。

Mステへの出演が発表されたときには「なぜこのタイミングで?」と思ったのですが……リオ五輪の閉会式に絡めての出演だったとは想像もつきませんでした。

これまではPerfumeのライブにおけるクオリティの高い演出でたくさんの話題を作ってきたこの2組ですが、特定のグループのブレーンとしての仕事にとどまらずにオリンピックの閉会式のパフォーマンスでも重要な役割を果たすまでに上り詰めたこの人たちは、いまや日本のエンターテインメントのレベルを最前線で引き上げている存在と言っても過言ではありません。

この日が披露された「24 drones」は、自動制御でライトを明滅させながら空中を動き回るドローンと5人のダンサーが有機的に連動するという全く新しいもの。完全自動化された機械の動きにダンスという人間にとって最も根源的な表現が組み合わさるこのパフォーマンスは、おおげさでなく「人間の歴史を進めるもの」として位置付けられるのではないでしょうか。

いろいろな巡り合わせはあるものの、こういう人たちをしれっと出演させてしまう(しかも難度の高いパフォーマンスを生放送で)Mステの懐の深さに感嘆しました。

■「Mステ」は時代を写す鏡(2):SMAP(出演なし)

8月における最も大きな話題となったリオ五輪でしたが、そのタイミングと並行して日本中を騒がせたのがSMAPの解散発表。あらゆる場所でこの件についての情報が飛び交うものの本人たちの生声はほとんどないという不思議な状況が続いています。

もちろんMステにも出演することはありませんでしたが……そんななかでMステサイドの工夫(と熱意)が感じられたのが19日の放送。

音楽シーンの話題を伝える「Mトピ」のコーナーでSMAPの過去曲がレコチョクデイリーランキングに多数ランクインしていることを取り上げるとともに、「世界の一つだけの花」でMステに出演した際の映像を少し大きめの歌詞の字幕とともにワンコーラス分まるまる放送しました。

最近のMステではテーマに合わせて過去の放送シーンを流すことはよくありますが、1曲だけにここまでフォーカスしたケースは今までほぼなかったのではないのでしょうか?

14日の解散発表の後ではありましたが、「解散」という表現が使われることは一度もなし。SMAPはMステにとっても間違いなく「功労者」なわけで、何かしらのメッセージが込められていたのかもしれません。メンバーとの交流も深いタモリが真剣に映像を見つめる姿も印象的でした。

■タモさんと仲良しミュージシャン(1):Cocco

Mステの司会を長くやっていることで、多数のミュージシャンと顔見知りになっているタモリ。今月のMステではタモリと出演者のほのぼのとしたトークがいくつか見られたので抜粋して紹介したいと思います。

19日に出演して最新アルバム『アダンバレエ』に収録されている「有終の美」をパフォーマンスしたCocco。2001年に一度音楽活動を停止する際の最後のテレビ出演をMステで行うなど何かとこの番組と縁のある彼女ですが、この日は実に5年ぶりの出演でした。

タモリはオープニングから「Cocco5年ぶりなんだ、ひさしぶりだよねえ……」とどことなくうれしそうで、Coccoもリラックスした笑顔で「よろしくお願いします」と返答。

歌唱前のトークパートでは「携帯はまだ持っていないが数年前に固定電話を導入した(かつては電報でスタッフとやり取りをしていた)」「ついに炊飯器を購入した」といういつの時代だかわからないエピソードが紹介され、タモリは「文明に負けたね」と軽口を叩いていました。

本来は繊細なタイプの歌姫であるはずのCoccoをここまでリラックスさせることができるのも、タモリが作るMステの空気ならではだと思います。

■タモさんと仲良しミュージシャン(2):ユニコーン

同じく19日に出演していたのがユニコーン。約2年ぶりのニューアルバム『ゅ 13-14』にも収録されている「エコー」(ドラマ「重版出来」の主題歌)を披露しました。性急でごちゃごちゃした音が主流になりつつある日本のロックシーンにおいて、こういう骨太で雄大なバンドサウンドというのはますます貴重なものになっていくと思います。

この日のトークでは『ゅ 13-14』のプロモーションの際に「稼働を減らすために5人分のお面を作ってそれをかぶった別人を登場させた」というびっくりの(そしてこの人たちらしいふざけた)エピソードが話され、さらに奥田民生が悪びれることなく「1人5個同じお面がある。これのおかげで暇だった」と補足。タモリも「すごいこと考えるね」と呆れた感じと感心した雰囲気を同時に醸し出す絶妙のリアクションを見せていました(その日出演していたAKB48のメンバーもそのお面をつけていましたが、なかなか気持ち悪かったです)。

[前編]はここまで。[後編]ではテレビ初登場となったRADWIMPSの話題などをお届けします。8月31日(水)のアップをお待ちください!

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

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【2016年8月12日放送分 出演アーティスト】
GLIM SPANKY「怒りをくれよ」
Mr.KING「OH!サマーKING」
欅坂46「サイレントマジョリティー」「世界には愛しかない」
ORANGE RANGE「以心電信」
柴咲コウ「永遠」
[Alexandros]「ワタリドリ」

【2016年8月19日放送分 出演アーティスト】
Little Glee Monster「君のようになりたい」
AKB48「光と影の日々」
中山優馬「Feeling Me Softly」
Aimer「蝶々結び」
Cocco「有終の美」
ユニコーン「エコー」

【2016年8月26日放送分 出演アーティスト】
モーニング娘。’16「愛の軍団」
Kis-My-Ft2「アイノビート」
FIRE BEAT「Sha la la☆Summer Time」
三浦大知「IT’S THE RIGHT TIME」
平井 堅「魔法って言っていいかな?」
ELEVENPLAY x Rhizomatiks Research「24 drones」
AKB48「恋するフォーチュンクッキー」「LOVE TRIP」
RADWIMPS「前前前世(movie ver.)」

最終更新:8/30(火) 22:43

M-ON!Press(エムオンプレス)