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ファンレス設計で頑丈ボディー――13.3型画面の「HP EliteBook 1030 G1」でビジネスは快適になるか

ITmedia PC USER 8月30日(火)14時38分配信

 法人(ビジネス)向けのモバイルノートPCとして高い評価を受けた日本HPの「HP EliteBook Folio 1020 G1」。その特徴を引き継ぎつつ、より快適な作業環境を実現した後継機種が「HP EliteBook 1030 G1」だ。

【日本語キーボードはカスタマイズあり】

 8月25日現在、EliteBook 1030 G1の直販標準価格はCore M5-6Y54(1.1GHz/最大2.7GHz)モデルが17万8800円(税別、以下同)から、Core M5-6Y54(1.2GHz/最大3.1GHz)モデルが22万8000円からと、決して安くはない。むしろ“高い”部類に入る。各モデル限定1000台用意しているキャンペーン価格でも前者が13万4800円、後者が16万9800円で、やはり安くはない。

 果たして、EliteBook 1030 G1はそれだけの金額を払うだけの価値のあるモバイルノートPCなのだろうか。今回、筆者はEliteBook 1030 G1のCore M5モデルをレビューする機会を得たので、その真価を見極めていきたいと思う。

●ボディー:丈夫さを維持しつつ大画面化・軽量化に成功

 EliteBook 1030 G1のボディーサイズは310(幅)×210(奥行き)×15.7(高さ)mmと、先代から変わっていない。また、ボディー素材についても先代と同じくアルミニウムとマグネシウム合金の組み合わせで、高い剛性を有している。その頑丈さは、米軍の物資調達基準「MIL-STD 810G」(いわゆる「MILスペック」)を満たしていることからも明らかだ。

 先代との違いは、画面を開くとハッキリと分かる。画面のサイズが12.5型から13.3型とわずかではあるが大型化したのだ。フレーム(額縁)も必然的により細くなり、先代よりもシュッとした印象を受ける。

 海外モデルでは、画面を「フルHD(1920×1080ピクセル)・アンチグレア(光沢なし)」液晶と「QHD+(3200×1800ピクセル)・アンチグレア・タッチセンサー付き」液晶から選択できるが、日本モデルは現在のところ「フルHD・グレア(光沢あり)」という構成になる。ビジネス向けであることを考えると「せめてアンチグレア液晶を選択できれば……」と思わなくもないが、グレア液晶だからといって見づらいこともないのでこれはこれで良い。

 重量にもわずかだが変化がある。先代(通常モデル)よりも公称値ベースで40gほど軽い約1.16kgとなったのだ。筆者が試用した個体の実測値は1186g(1.186kg)で、公称よりも少しだけ重いが、先代の公称値よりも軽いことには変わりない。パーツの配置バランスの良さもあってか、実際に手にすると重量以上に軽く感じられる。コンパクトさも相まって、ビジネスバッグに入れて持ち運ぶのも苦にならない。

●ファンレス設計:静かで作業に集中しやすい ただし「向き」「不向き」は見極めて

 ノートPCで作業をしていると、意外と気になるのがファンからの騒音だ。静かな場所で作業している時に限って「コーッ」という音が気になって集中が途切れてしまう――そういう経験はないだろうか。

 EliteBook 1030 G1は、Core Mプロセッサの低消費電力・低発熱という特徴を生かしたファンレス設計となっている。そのため、ファンの音で気が散ることもない。また、吸気口・排気口もないため、ホコリをため込んでファンが壊れるリスクもゼロにできる。

 ファンレス設計はPCから出る騒音を大幅に軽減できる反面、放熱面での不安がつきまとう。特に、移動中に膝や太ももの上にノートPCを乗せて使う場合、底面の温度が高すぎると最悪の場合やけどを負ってしまうこともある。

 この点について、筆者が実際に使った限りでは、WordやExcelでの作業、WebブラウジングやWeb動画の視聴程度であれば、冷房の適度にきいた部屋では全く気にならなかった。筆者のように記事(テキスト)の執筆・編集を中心に、たまに写真の整理や編集をする程度の使い方であれば、ファンレスによる静寂も相まってより集中力を高められるPCであるといえる。

 ただし、3Dゲーム(のベンチマーク)や動画編集など、連続してCPUやストレージ(SSD)に連続して負荷をかける作業をすると、発熱はさすがに気になる。長時間に渡って高負荷な状態が続く作業をする場合は、机上に置いて使うことをお勧めしたい。

●USB Type-C端子を搭載し拡張性がアップ ただしメモリカードスロットは廃止

 EliteBook 1030 G1の本体は、USB 3.0 Type-A端子(Powered USB対応)を2基、USB 3.0 Type-C端子を1基、HDMI端子を1基、ドッキングステーション専用スロットを1基備えている。ドッキングステーション端子にはオプションの「HP UltraSlim ドッキングステーション2013」または「HP VGA&Ethernetアダプター」を、USB 3.0 Type-C端子には「HP USB-C トラベルドック」を接続可能だ。職場でも出先でも、容易にポート類を増設できるソリューションが用意されていることはうれしいことだ。これらはオプション品であるため、必要に応じて購入するようにしよう。

 一方で、先代にはあったmicroSDメモリーカードスロットは廃止されている。メモリーカードを使う場合は別途USB接続のリーダーライターを用意しよう。

●キーボード:日本語配列独自のカスタマイズでより入力しやすい

 筆者のように日常的にPCを使って文章を作成・編集する人にとっては、ノートPCといえどもキーボードはこだわりたいポイントだ。EliteBook 1030 G1のキーボードは、キーピッチ約18.7mm、キーストローク約1.5~1.7mmとなっている。先述の通り、ボディーが高い剛性を有しているため、たわむことなくしっかりと打ちこめる。LEDバックライトも装備しているので、暗い場所でのキー入力もバッチリだ。

 さらに、日本語キーボードは他言語のキーボードと比較してEnterキーをやや大きめに取り、左右の方向キーを小型化した上で下寄りにするカスタマイズを施している。これによって、より快適な文字入力を実現している。

●スピーカー:「Bang & Olufsen」とコラボした音抜けの良いスピーカーを採用

 最近、プレゼンテーションに動画を使うことが増えた。出先でのプレゼンテーションは、本体単体で行わなければいけないことも多い。また、ビデオ会議にPCを使う機会も増えた。プレゼンテーションやビデオ会議で利用する際に、意外と重要なのが本体の内蔵スピーカーだ。

 内蔵スピーカーで音声を再生してみたところ、音が小さすぎて聞こえづらい――という経験をしたことはないだろうか。「音が小さいなら音量を上げよう」ということでボリュームを上げたら、今度は音割れで聞こえづらい――なんてことも良くあることだ。

 EliteBook 1030 G1は、デンマークの音響機器メーカー「Bang & Olufsen」と共同開発したステレオスピーカーを内蔵している。このスピーカーは「音」も「声」も明瞭に再生してくれるだけではなく、音源にもよるが、ボリュームを上げても音割れがほとんど発生しない。小型・薄型のノートPCとは思えないほど質の良いものだ。

●パフォーマンス:非常に快適 ただし3Dをバリバリ使うのは厳しい

 冒頭で述べた通り、今回はEliteBook 1030 G1のCore M5-6Y54モデルをレビューしている。このモデルではメモリが8GB、ストレージが256GBのM.2 SSD(シリアルATA接続)という構成となる。

 ファンレスとするために採用されたCore Mだが、そのパフォーマンスはいかほどなのだろうか。複数のベンチマークテストプログラムで計測してみよう。

総合ベンチマークテスト・CPUベンチマークテスト

 まず、ビジネスや家庭での普段使いの性能を確かめるために「PCMark 8」の「Work Accelarated 2.0」と「Home Accelarated 3.0」を実施した。スコアはそれぞれ「4184」「3185」となった。プロセッサの性能を測るために「CINEBENCH 15」で行ったテストでは、CPUのマルチコア性能は「257cb」、シングルコア性能は「108cb」を記録した。一般的なビジネスユース、ホームユースでは十分すぎる性能を有しているといえる。

3Dグラフィックベンチマークテスト

 続いて、本機の本来的な用途ではないだろうが、3Dグラフィックス周りのベンチマークテストも取ることにする。

 まずは、「3DMark」の「Sky Diver」と「TIME SPY」で計測してみた。結果はそれぞれ「2216」「249」となった。前者はDirectX 11、後者はDirectX 12のグラフィックを試すためのテストだが、いずれも見るからにカクカクな描画で、動作はかなり厳しい。

 実際の3Dゲームを想定したベンチマークテストもしてみよう。利用したのは「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマーク」(スクウェア・エニックス)だ。Direct X9モードで、HD(1280×720ピクセル)およびフルHD解像度における「標準品質(ノートPC)」「高品質(ノートPC)」「最高品質」のフルスクリーン描画をテストした。結果は以下の通りだ(スコアは「HD/フルHD」の順)。

・標準品質:3095(やや快適)/1881(設定変更を推奨)
・高品質:2173(普通)/1298(設定変更を推奨)
・最高品質:1617(設定変更を推奨)/904(動作困難)

 解像度とクオリティをある程度落とせば、Direct X9世代の3Dゲームは遊べなくもないが、高解像度・高クオリティを求めるとかなり厳しいようだ。ゲームに限らず、3Dグラフィックをバリバリと使う用途には向いていない。

バッテリーベンチマークテスト

 モバイルノートPCは、バッテリーの持ち具合がある意味で非常に重要だ。EliteBook 1030 G1は先代よりもわずかに軽くなったのは先述の通りだが、バッテリー容量は36Whから40Whに増え、連続稼働時間もJEITA Ver.2.0基準の公称値ベースで最大7.6時間から最大10.5時間に延びている。

 実際のところはどうなのか、バッテリー用ベンチマークテストソフト「bbench 1.01」を使って調べてみることにした。ソフト側の設定は標準通り(60秒間隔でのWebサイト表示、10秒間隔でのテキスト入力)、本体側の電源設定も標準通り(HP Optimized)、液晶の輝度のみ100%にして行った。

 バッテリー残量が5%になる(バッテリー切れで強制的に休止状態になる)までにかかった所要時間は5時間ちょうどだった。公称値の約半分程度になったが、液晶輝度が最大だったことを考えるとこんなものだろう。ネットに接続した状態でこれだけ稼働できれば、営業の外回りの時間でも十分何とかなるだろう。ACアダプターは比較的小さいので、万が一に備えて持ち歩いても苦にならない。

ストレージベンチマークテスト

 先述の通り、今回試用したCore M5-6Y54モデルは、シリアルATA接続256GBのM.2 SSDを搭載している。この個体で採用されていたSanDisk製の「SD7TN3Q-256G-1006」を、「CrystalDiskMark」でベンチマークテストをしてみよう。

 結果はシーケンシャルリードが409.2MB/秒、ライトが371.3MB/秒となった。ランダムリード・ライトの数値も比較的高速だ。以前使っていたPCがHDD、あるいはeMMCだった人であれば、この速度は「爆速」の部類に入るだろう。

 もしも「もっと高速なストレージが欲しい」という人は、上位のCore M5-6Y75モデルを、ストレージがPCIe NVMe接続のM.2 SSDになる(容量は変わらず256GB)。このモデルではメモリも16GBと倍増するので、「CPUはそこそこでいいから、メモリとSSDが高速なマシンがいい」という人にはピッタリな構成といえる。

●まとめ:頑丈で持ち運びやすい、見た目の美しいノートPCが欲しい人にお勧め

 この記事の冒頭でも触れた通り、EliteBook 1030 G1は決して安い価格帯ではない。しかし、頑丈なボディー、ファンレス設計、打ちやすい日本語キーボードを始めとしてビジネスの継続性や生産性を高める工夫が凝らされている。キャンペーン価格で購入できれば間違いなく「おトク」だ。似たスペックを持つ「HP EliteBook Folio G1/CT」と比較すると拡張性が高いことも魅力だ。

 強いて難点を上げるとするならば、アナログRGB出力や有線LANを利用するためにはオプションを購入しなければならないということだ。もしも、これらが必要な場合は本体とセットで購入しよう。

最終更新:8月31日(水)14時22分

ITmedia PC USER

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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