ここから本文です

【インタビュー】人見知り、二次元の恋、藁人形…究極系等身大ソングを歌うカノエラナとは

BARKS 8月31日(水)12時43分配信

8月31日に、シンガー・ソングライターのカノエラナがメジャー1st mini album「カノエ参上。」をリリースする。キャッチーなメロディ、多くの人々に愛され得る飛翔感のある歌声、確かな歌唱力。そして、内面の喜びも悲しみも暴露するインパクトのある歌詞。彼女の登場は、新たなポップ・アイコンの誕生とも言えるだろう。

◆カノエラナ 画像

そして、そんな彼女のキャラクターはと言うと、自身で公言してしまうほどの“人見知り”。だが、誰もが持つこうした一見ネガティヴな側面すら歌に昇華してしまうのが、アーティストとしての度量であり魅力である。それが同世代の女子がカノエに共感を寄せる所以なのかもしれない。インタビュー冒頭から、取材は「超得意じゃないです」と言った彼女であったが、パーソナルな面に関してもライターの山口哲生氏が迫ったテキストをお届けする。

  ◆  ◆  ◆

■ 歌っているときは、“私”というよりも“カノエラナさん”に頑張ってもらっている感じ

──カノエさんは、ご自身が人見知りなことを曲にしてしまうぐらいの人見知りだそうですけど、取材はあまり得意じゃなかったり?

カノエラナ(以下、カノエ):超得意じゃないです(苦笑)。

──「超」がついちゃいますか(笑)。

カノエ:いやぁ、緊張しますねぇ……。

──今日はメジャーデビュー作品のことだけでなく、パーソナルなこともお聞きしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

カノエ:はい。よろしくお願いします!

──音楽を始めたのは、おばあさまの家にあったピアノを弾いていたことがキッカケだったそうですね。

カノエ:小さい頃から、音を聴いたら身体を揺らしてる子供だったらしいんですよ。家にあった音が出るおもちゃでも、よく遊んだりしてたみたいで。それでおばあちゃんの家にあったピアノを弾いて、「ピアノを習わせてよ!」って言ってたんです。なかなか習わせてもらえなかったんですけど、それでもずっと言い続けて、小学校3年生からようやく習わせてもらえるようになって。そこからずっとクラシックをやってました。

──小さい頃はどんな音楽を聴いていたんですか?

カノエ:私たちの世代的にはミニモニさんとか、今もですけどモーニング娘。さんがすごく盛り上がっていた時期だったので、そういう曲も聴いてましたけど、両親が聴いていた曲を聴くことが多かったですね。THE BLUE HEARTSさんとか、EGO-WRAPPIN'さん、JITTERIN'JINNさん、JUDY AND MARYさん、REBECCAさんとか。その辺りが家や車のなかでガンガン流れていたので、自然と覚えちゃいました。

──ピアノを習い始めてからは毎日練習を?

カノエ:そうですね。でも、私は自由に弾くのが好きだったので、ちょっと嫌だなと思うようになってしまって。楽譜を見るのも嫌だし、弾いていると「指番号と違う!」って言われて、「う~~ん……」って(笑)。でも、歌うことは好きだったので、将来はなにかしら音楽の仕事に就けたらいいなとは思ってました。

──じゃあ、小さい頃から歌を歌う人になりたかったと。

カノエ:歌うことはずっと好きだったんですけど、歌を歌う人になりたいというのは誰にも言ってなかったんですよ。でも、小学校6年生のときの担任の先生がすごく音楽が好きな方で。教室に置いてあったギターを先生が弾いてクラスソングを作ったり、朝の会とか帰りの会でいろんな人の曲を歌ったりするクラスだったんです。その先生が、「歌いたいなら歌いたいってちゃんと言ったほうがいいと思う」って後押ししてくれて。

──自分の気持ちを人に伝えるのがあまり得意ではなかったんですね。

カノエ:私、基本は人の後押しがないと動けないんですよ。いろんな人に助けられて今に繋がっているので、なんか、私よりも周りの人がすごいなって思います。私としては、ずっと「ごめんなさい……すみません……」みたいな感じで生きてきたので。

──でも、すごく複雑ですよね。「歌いたい、でもなるべく人前に出たくない」みたいな気持ちもあって。

カノエ:そうなんです。私はその2つが合わさっていて。今はスイッチを切り替えて、歌っているときは、私というよりもカノエラナさんに頑張ってもらっている感じです。ライブのときはカノエラナさん、こうやっておしゃべりしているときは半カノエラナで、家に帰ると普通の自分に戻ります。

──“普通の自分”はどんな感じなんですか?

カノエ:まったくしゃべらない、外に出ない、やばい、みたいな(笑)。家にいるときは、アニメを観るか、寝るか、曲を作るかのどれかです。

──インドアなんですね。それからは、担任の先生の後押しがあって音楽の道に?

カノエ:後押しをしてもらって、ちゃんと考えたほうがいいかもなって思っていたんですけど、中学校に入学したら音楽系の部活がなかったんですよ。だから運動部に入るしかなく、ソフトテニス部に入ってしまって。そこから球拾い生活が始まり、ピアノも疎かになり……。

──でも、そのまま音楽から離れることはなかったわけであって。

カノエ:部活が休みのときは、友だち同士でカラオケに行くのが決まり事というか、むしろ田舎だからそれしかやることがなかったんですよ。それを繰り返していたら、私がやっぱり一番やりたいことは、歌うことなんだろうなって。それで中学校2年生の冬に「唐津ジュニア音楽祭」のプリントが、応募券と一緒に学校に配布されて。そこに友だちと出よう!っていうことになって応募したら、受かってしまったんですよ。その本戦で「くちばしにチェリー」を歌ったら優秀賞を受賞し、その後音楽塾へ通い始めそこから曲作りや歌詞の書き方を勉強し始めたのが、中学校3年生のときでした。

──曲はいつもどうやって作ってます?

カノエ:まず歌詞のテーマを決めます。なにかひとつ気になる単語からどんどん広げていくと、それと一緒にメロディーが(頭のなかで)鳴ってくれるので、それに従いつつ作っていく感じですね。

──ちなみに、バンドとかはやってました?


カノエ:やってなかったです。なんか、バンドって大変そうだなと思って(笑)。

──コミュニケーション的な問題で?

カノエ:そうです。友だちにバンドをやっている女の子がいるんですけど、音楽のことでぶつかったりしているのを見ていると、私にはちょっと厳しいかなって(笑)。

──何事も穏便に済ませたい?

カノエ:そうですね。ひとりだったら何があっても自分の責任だから、そのほうがいいかなって。私、ライブ自体も上京するまで一回もしたことなかったんですよ。路上ライブの経験すらなくて、上京してから半年経ったぐらいに、カノエラナとしてライブを始めたので。

──そうだったんですね。

カノエ:でも、ライブをするようになってから、自然とお客さんの反応を見るようになって。こういう曲調は意外とノッてくれるんだな、じゃあ、こうしたほうが手拍子しやすいかもとか、どういう曲を作るとお客さんが喜んでくれるのかいろいろ考えていたら、自然と曲のテーマも浮かんでくるようになりましたね。あとは、“30秒動画”のおかげで、テーマに沿って曲を起承転結させることの重要性がわかったりして。曲の作り方はだいぶ昔と変わったと思います。

■ 洗いざらい晒すのがアーティストだから、やっちゃえ!って
■ ちょっと出しすぎちゃったかもしれないですけど(笑)

──そもそも“30秒動画”をやってみようと思ったのは?

カノエ:1年ぐらい前にTwitterに動画機能がついて、どうやら動画を30秒あげられるらしいぞと。それじゃあ試しになにかやってみようと思って、「チューリップの歌」を弾き語りした動画をあげたんですよ。“♪さいたー さいたー”って。そしたら、いつもよりリツイートとかお気に入りが多かったので、とりあえず続けてみたんです。最初はカバーだけだったんですけど、ちょっとずつオリジナルも入れるようになったら、どんどん大変なことになって行って。Twitterを始めたころは(フォロワーが)800人だったんですけど、今は5万人を超えてしまって、嬉しいけどどうしようっていう状態です。

──今の作曲スタイルとしては、最初に30秒の曲を作って、それを広げていく感じなんですか?

カノエ:基本はそうですね。“30秒動画”は本当に日記代わりというか、動画をあげる本当に数分前に作ったものなんですよ。このあいだの話なんですけど、家にヤモリが出たんですね。「やばい! かべちょろが出た!」と思ってつぶやいたら、みんなが「“かべちょろ”ってなに?」って。私、それまで「かべちょろ」が九州の方言だって知らなかったんですよ。それで、これは歌にしなきゃ!って急いで曲を作って、すぐあげるっていう。

──本当にリアルタイムで起こったことを曲にされていると。曲を作るときはまずテーマを決めるとのことでしたが、今回リリースされるメジャーデビュー作品「カノエ参上。」は、どういうテーマで作られました?

カノエ:夏にマッチしたカラっとしていて、熱くて、みんなで騒げるようなアルバムになればいいなと思って作りました。私的には“うるさいアルバム”っていうイメージです(笑)。

──たしかに夏の曲が多めで、そのなかでも“夏の祭りのわっしょい歌”は超アッパーな曲ですけど、アレンジャーの浅野尚志さんといろいろやり取りをされたんですか?

カノエ:はい。浅野さんとはインディーズの頃からやらせてもらっているんですけど、お客さんがタオルを振り回せるような、ジャンプできるような曲にしてほしいというお話をしたら、それがめっちゃ伝わっててビックリしました。♪タンスタスッタン!みたいな。

──ああいうビートの曲も歌っていて楽しい?

カノエ:私、音楽はなんでも好きなんですよ。本当に幅広くいろんな曲を歌うので、いろんなものを楽しく取り入れていきたいです。

──“シャトルラン”も夏にすごく合う応援ソングになってますね。

カノエ:私は今まで誰かを応援する曲を作ったことがなかったんですよ。あったにしても一歩引いた感じだったんですけど、メジャーデビューが決まったことで、ここまで応援してもらったみなさんを、今度は私が応援したいなと思って。あと、私は妹がいるんですけど、部活をすごい頑張っていて。結構大変みたいで、普段あんまり泣かないのにめっちゃ泣いたり、よく相談されたりするんです。それでこの前、「ユニフォームもらえなかった」っていうメッセージが来たときに、やばい! どうしよう!って。そのときに、応援しなきゃ!って思ったんです。私は言葉よりも歌にしたほうがちゃんと伝えられるから、このことを歌にしようって思った、その2つのことが合わさって、ここまで前向きな応援ソングを作れたんです。

──それまでは応援する曲を書こうとも思ってなかった?

カノエ:あまり思ってなかったし、それよりも自分のことを歌にするほうが大事というか。私という人間がまだ伝わっていないのに、そんな人間が誰かを応援してもよくわからなくなるんじゃないかと思っていたから、まずは自分のことを歌っていたんです。

──インディー1stのタイトルは「カノエラナです。」でしたし。

カノエ:はい。応援とかそういうのは、自分のことを知ってもらったその先でいいじゃないかと思っていたんですよね。それがようやくこうやって形にできたので、私としても思い入れのある曲になりました。

──そういった誰かのために書いた曲もありつつ、ご自身のことを歌っているものもありますよね。たとえば“あたしの彼氏は二次元の人”は、アニメ好きなところだったりとか。

カノエ:この曲は私のことでもあるんですけど、アニメが好きな人たちというか、画面越しに恋をしている人に向けて歌っているところもあって。テレビの中の人って、3次元ではあるけど2次元じゃないですか。そういう人達の共感も、意外と呼べるんじゃないかなと思って、どっちにも当てはまるように作りました。

──ものすごく繊細なピアノの音に合わせて、<あたしの彼氏は二次元の人>って歌い出すギャップもおもしろかったです。

カノエ:そういうギャップはすごく考えますね。なんだこれ!?って常に思わせたいので。“恋する地縛霊”とかもそうなんですけど、曲名もすごく大事にしてます。そのタイトルを見て、なんだこの曲!?って思わせるようなもの、それを聴いたときに、その予想を裏切るものを作らなきゃいけないっていうのは常に考えてます。

──あと、“My World”の歌詞が印象的だったんですが、これは実話ですか?

カノエ:全部実話です……って言うと、ちょっとヤバい奴ですよね?

──小さい頃は、藁人形を量産して、紙で式神を作り、魔女図鑑を愛読していたと。

カノエ:はい(笑)。家の周りがほぼ田んぼで、草とか藁がいっぱいあったから、小学校の帰り道に藁人形を作って、家の玄関の前に並べてたんです。大、中、小みたいな感じで(笑)。そしたらすごい怒られちゃって。

──たしかに心配にはなりますよね。ウチの子、呪いでも始める気かしら……みたいな(笑)。

カノエ:ははははは(笑)。でも、メジャーデビューだし、今まで出ていなかったところに出ていくにあたって、そういう自分のことを歌った曲が、アルバムに一曲ぐらいあったほうがいいんじゃないかなと思って。

──そういった自分を出すことに抵抗は?

カノエ:まったくなかったです。自分のことをそのまま歌えば、私みたいな人には刺さるんじゃないかなと思ったので。浅野さんのアレンジも、すごく爽やかなんだけど、ちょっと暗さがあったんですよね。夕暮れっぽい色の曲だなと思って。それにちょうどいい塩梅だったネタが、中2病だったんです。そこから、私の過去にあった出来事を洗いざらいノートに書きまくって。見返してみて、自分でもやばいなとは思ったんですけど(笑)、でも、今でもそうやって思い出せるっていうことは、あんまり変わってないっていうことなのかなと思ったし、変わらなくてもまっすぐに生きれてるじゃんって。

──なんか、人間ってそういう過去を黒歴史にしがちですけど、もしかしたら自分のベースになっている部分って、意外とそういう部分にあるのかもしれないですよね。

カノエ:そうなんですよね。そうやって隠すものほど重要というか。そこは他人に触れられてほしくないところなのかもしれないけど、それを洗いざらい晒すのがアーティストだから、やっちゃえ!って。ちょっと出しすぎちゃったかもしれないですけど(笑)。

──そんな自分を曝け出しつつ、ここから先はどんな歌を歌って行きたいですか?

カノエ:本当に最近アルバムが完成したばかりなので、次の曲はこれから作ります。でも、完成させたいなと思っている曲もあるし、ここから作るであろう曲もあると思うので、それはまたそのときの自分にまかせようかなと思います。

──その都度思ったことを歌っていこうと。

カノエ:そうですね。より等身大になるように。

──となると、より素の自分が出てくるわけじゃないですか。そこでカノエラナと“普通の自分”との関係はどうなりそうですか?

カノエ:今のところはすごく仲がいいんですよ。カノエさんが「やりすぎちゃったな……」って思ったときは、私が「大丈夫、やってよかったよ」って慰めている感じなので、今のままの関係でいいんじゃないかなって思います。私は頑張って曲を書くから、カノエさんはライブを頑張って!みたいな。

──二人三脚で頑張っていこうじゃないかと。

カノエ:はい。本当はひとりなんですけどね(笑)。

  ◆  ◆  ◆

取材・文=山口哲生

メジャー1st mini album『カノエ参上。』
2016年8月31日発売
WPCL-12408 ¥1,500(+税)
仕様:通常ジュエルケース

[収録曲]
1. シャトルラン
2. 恋する地縛霊
3. My World
4. 夏の祭りのわっしょい歌(か)
5. あたしの彼氏は二次元の人
6. 大事にしてもらえよ

リリース記念ミニライブ生配信@池袋ニコニコ本社
8月31日(水)池袋・ニコニコ本社
18:00 START ※観覧フリー
生配信視聴はこちら
http://live.nicovideo.jp/watch/lv273851569

カノエラナ メジャー1st mini album「カノエ参上。」リリースパーティー
今日もわやわやvol.3~豊作祈願祭りです。~
2016年9月25日(日) 東京・下北沢GARDEN
OPEN 15:00 / START 16:00
ゲスト:がんばれ!Victory
前売りチケット料金:¥3,000(税込)※ドリンク代別途必要
チケットは特設ページをチェック:https://www.kanoerana.com/live/1731.php

カノエラナ初ワンマンツアー
<とうめいはーん!!! さがすぜ勇者たち。>
11月25日(金) 大阪MUSE
OPEN 18:00/START 19:00
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888

11月27日(日) 愛知・伏見JAMMIN'
OPEN 16:00/START 17:00
問い合わせ:JAIL HOUSE 052-936-6041

12月2日(金) 渋谷CLUB QUATTRO
OPEN 18:00/START 19:00
問い合わせ:H.I.P. 03-3475-9999

12月4日(日) 佐賀GEILS
OPEN 16:00/START 17:00
問い合わせ:キョードー西日本 092-714-0159

■チケット一般発売日 10月2日(日) 10:00~
■前売チケット料金各日¥3,000-(税込) ※各会場、ドリンク代別途必要
ワンマンツアー特設サイト
https://www.kanoerana.com/sagasuze/

カノエラナ メジャー1st mini album「カノエ参上。」発売記念イベント
8月30日(火) タワーレコード横浜ビブレ店
18:30 START
8月31日(水) 池袋・ニコニコ本社B2Fイベントスペース
18:00 START
9月1日(木) タワーレコード渋谷店4Fイベントスペース
18:30 START
9月2日(金) タワーレコード吉祥寺店 ヨドバシ吉祥寺2Fイベント会場
OPEN 17:30 / START 18:30
9月3日(土) 川崎・ラ チッタデッラ 中央噴水広場
12:00 START
9月4日(日) さいたま・コクーンシティ コクーン1 コクーンプラザ
14:00 START
9月5日(月) 渋谷・DESEO mini
(1)18:30 START (2)20:30 START
9月7日(水) タワーレコードアミュプラザ博多店 店内イベントスペース
18:30 START
9月17日(土) 名古屋・イオンタウン千種1Fセントラルコート
14:00 START
9月18日(日) ミント神戸2Fデッキ特設ステージ
14:00 START
9月19日(月・祝) 大阪・タワーレコード梅田NU茶屋町6F店内イベントスペース
13:00 START

リリースパーティー詳細、イベント詳細
OFFICIAL HP:http://www.kanoerana.com/

最終更新:8月31日(水)12時43分

BARKS