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瞬時の決断で思わぬ賞賛も 芸能界における“代役”たちの活躍

オリコン 8月31日(水)8時40分配信

 8月23日に強姦致傷容疑で群馬県警に逮捕された俳優・高畑裕太容疑者の事件を受け、8月27日放送『24時間テレビ39』(日本テレビ系)内のスペシャルドラマ『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた~』で、急きょ高畑容疑者の代役を務めたNEWSの小山慶一郎。放送終了後、小山の演技には「時間がなく多忙の中…本当にお疲れ様でした」「最初から小山君のほうがよかったんじゃない? まったく違和感なかった」等々、続々と称賛が集まっている。振り返れば、これまでもエンタテインメント界では様々な理由から急遽演者が出演できず、一刻の猶予もない中、敢然と役をこなし、見事に有事を乗り切って“男・女を上げた”多くの代役たちがいた。

【写真】お騒がせt.A.T.u.の“Mステ・ドタキャン事件”から7年後の制服姿

◆最悪は放送中止やお蔵入りも……厳しい状況下で代役を務めた小山に賞賛の声

 今回のNEWS・小山の代役は、放送まで2日しかないという厳しい状況下で決定された。物語は、盲目になって自暴自棄に陥った主人公・ヨシノリ先生(NEWS・加藤シゲアキ)が、再び中学校教師を目指してリハビリに励むというもので、小山はそのリハビリ指導員役。厳しい指導の末、ようやく社会復帰できる加藤に「ヨシノリさん、よくここまで頑張りました!」と激励して抱き合うという3分ほどの出番なのだが、先述の視聴者のコメントのように、まったく違和感のない演技だった。NEWSメンバー同士ということもあるだろうが、確かに“最初から小山でよかったのでは?”とすら思わせるほどだったのである。

 「今回のような不祥事があった場合、これまでのドラマやバラエティでは、“この放送は○月○日に撮影(収録)されたものです”といったテロップを入れるとか、出演部分を編集でカットしたりしてました。最悪は放送中止、お蔵入りさせる場合もあります。でも、今回は大枠が24時間テレビの生放送だし、その中の鳴り物入りのドラマでもあります。今はコンプライアンスにもうるさいですし、撮り直しもしょうがない。番組スタッフも放送前日ギリギリまで編集作業に追われてたと聞きますし、小山さんも番組の冒頭で“いろいろあったけど、(スタッフ)一丸となってこの日を迎えることができました”という挨拶も真摯な思いだったと思います」(ドラマ制作会社スタッフ)

◆負担は大きく重圧も掛かるが、代打を務めれば賞賛が多く意外にリスクは低い

 舞台の“代役事件”で言えば、2013年の『おのれナポレオン』で天海祐希が軽度の心筋梗塞で降板し、代役として宮沢りえが緊急登板したことがある。野田秀樹と三谷幸喜という演劇界2大トップランナーの初タッグ作品ということもあって、宮沢もふたつ返事で了承したが、舞台で失敗は許されない。しかし宮沢は、膨大なセリフ量に加え、フラメンコやピアノ演奏もある難しい役を約2日間の稽古で仕上げたのだ。これにはネットユーザーも「あれを2日で…さすがプロ」「終始、前へ出ないようにしてたけど、今日は堂々と拍手受けていいと思う!」など、大絶賛された。終演後のカーテンコールは4度に及び、満員の観客はスタンディングオベーションで宮沢の女優魂を称えたのである。また、宮沢の演技が評判を呼んで、当日券の販売窓口には長蛇の列ができるほどの大盛況。舞台は“生もの”であるだけに、宮沢りえの代役ぶりは、女優としての評価をさらに上げたのである。

 さらに舞台で言えば、かつて市毛良枝が『ドラキュラ』(1979年)で急きょ代役を受け、何とわずか16時間の稽古で主役の穴を埋めたことがある。現在は舞台をメインに活躍する鈴木蘭々に至っては、演劇界では“代打女優”との異名を持つほど。いずれにしても、実力がなければ代役はそう簡単に務まるものではないということであり、だからこそ高評価にもつながるのである。それはテレビでも同じことだ。第3子妊娠5カ月の広末涼子に代わり、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』に出演した鈴木杏は、「いつか大河ができる役者になりたいと思っていたので素直にうれしい。私以上に母が喜んでいます」と語ったが、視聴者からは「いつからこんなに色気と胆力ある女優になったんだろ」「鈴木杏の存在感と艶技力、さすが。でもこの役、本来なら広末だったんですよね…」など、こちらも代役を演じ、はからずも高好評を得たのである。

 また、2003年の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、ロシアの人気デュオ・t.A.T.u.(タトゥー)がまさかの生放送ドタキャン。司会のタモリによれば「t.A.T.u.が出たくねぇ、ということです。控え室から出てこないと言うことです」とのことだったが、出番を終えたTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが即興でもう1曲披露し、ロックファン以外の視聴者層にも、“男気”のあるロックバンドとして認知されるきっかけとなった。

 こうしてみると、急なピンチヒッターだからこそ、周囲も“時間がないからしょうがない”という、ある程度の寛容な評価に傾くし、見事に務め上げれば“よくやった!”と賞賛もされる。無事に代役を務めれば、時にタレントとしてのターニングポイントにも成りうるのだ。いずれにしろ、短時間で相当な努力を強いられるが、芸能界における“代役”とは本人の負担は大きいながらもリスクは意外に低く、男・女を上げる最大のチャンスなのかもしれない。

最終更新:8月31日(水)11時4分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。