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「生きたマンガン鉱床」破壊 外来魚ほぼ駆除 北海道・天然記念物オンネトー湯の滝

北海道新聞 8月30日(火)11時30分配信

藻類と微生物が作用して

 環境省は、北海道足寄町の阿寒国立公園にある国の天然記念物「オンネトー湯の滝」で、貴重なマンガン酸化物生成に悪影響を及ぼしてきた外来魚を、ほぼ駆除したことを確認した。

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 オンネトー湯の滝と、滝の下にある池では、マンガンイオンを含む水に藻類と微生物が作用することで、マンガン酸化物が地表で生成される。世界的にも珍しい「生きたマンガン鉱床」として、2000年に国の天然記念物に指定された。

グッピーとテラピアが放流され

 ところが何者かが池に外来魚のグッピーとテラピアを放流し、温泉水の中で大量に繁殖した。外来魚は、マンガン生成の鍵を握る微生物の付着した藻類を食い荒らし、鉱床の生成に悪影響を与えていた。

 外来魚は繁殖力が強く、網などによる駆除では効果が上がらなかった。このため、環境省は13年11月から足寄町と協力し、湯の滝から流れ込む温かい水を外来魚が生息する池の前でせき止め、設置したパイプを通して180メートル下流に迂回(うかい)させた。併せて、近くの沢の水を池へ引いた。

水温低下、生存を難しく

 この結果、冬でも25度ほどあった池の水温は、秋から冬にかけて外来魚の生存が難しくなる18~20度まで低下した。今年7月半ばに池の水を抜いて調査したところ、テラピアは確認されず、グッピーも4匹しか見つからなかった。環境省阿寒湖自然保護官事務所は「外来魚はほぼ駆除された」との認識を示している。

 ただ、卵が残っている可能性もあることから、当面は現行の対策を続けていくという。同事務所の安藤祐樹自然保護官は、「本来の生態系に戻すため、時間をかけて慎重に対策を取ってきた。外来魚の放流は絶対にやめてほしい」と注意を促している。

北海道新聞

最終更新:8月30日(火)11時30分

北海道新聞