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名鉄「北アルプス」と会津鉄道で使用された車両、ボルネオ島で「第3の人生」

乗りものニュース 8月30日(火)10時57分配信

特急「北アルプス」用に造られた名鉄キハ8500系

 1991(平成3)年に導入された名鉄のキハ8500系ディーゼルカーが、現在、マレーシアのボルネオ島(カリマンタン島)に渡り、新車同様の塗装をされ「第3の人生」を歩み出そうとしています。

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 キハ8500系は、もともとはJR高山本線直通の特急「北アルプス」用に導入された車両です。JR線内では特急「ひだ」に併結するため、車両の性能や仕様はJRのキハ85系ディーゼルカーにそろえられ、また、名鉄犬山線内でのダイヤにも対応できるよう最高速度120km/hなど電車並みの性能が確保されました。

 しかし特急「北アルプス」は、利用者の減少などから2001(平成13)年に廃止されてしまいます。廃止に伴い、キハ8500系は会津鉄道に譲渡。福島県で「第2の人生」をスタートさせました。

 ところが、もともと高速運転用に造られた車両を低速かつ停車駅の多い列車として使用したことが走行機器の寿命を縮めることにつながり、車両は2010(平成22)年5月をもって引退。オークションにより、最後まで残った4両のうち「キハ8501」「キハ8504」は那珂川清流鉄道保存会が、「キハ8502」と「キハ8503」は個人が落札し、後者2両は福島県会津若松市内の観光施設に静態保存されていました。

 その静態保存されていた「キハ8502」と「キハ8503」が現在、マレーシアに渡っているといいます。アジアの鉄道事情に詳しい杉林佳介さんによると、譲渡先はマレーシアのボルネオ島を走るサバ州立鉄道といいます。

メーターが10個増えた運転台

 キハ8500系は、現地では再塗装され新車同様の姿に。杉林さんによると、軌間(線路の幅)は名鉄や会津鉄道が1067mmだったのに対し、サバ州立鉄道は1000mmであるため、それにあわせて車軸が改造されたほか、数か月かけてエンジンをはじめとする走行機器のオーバーホールも行われました。しかし現地を見学した今年7月下旬の時点では、車両の整備は完了しているものの、州知事から営業許可が下りていなかったため、運行開始日は未定だったといいます。

 車内は、座席が汚損と劣化防止のため黒色のレザー張りとされましたが、そのほかは基本的に会津鉄道時代のまま。日本語表記もところどころに残っているそうです。ただし運転台には、10個のメーターが追加されていました。

 見学の時点で整備が終わっていたのはこの「キハ8502」のみで、「キハ8503」は整備の真っ只中。そのときはちょうど再塗装が行われており、竣工は2017年の予定といいます。

 杉林さんは「ボルネオ島の方々は皆親切で、初めての方でも安心して旅行できるすばらしいところだと思います。ぜひキハ8500系に乗って、ボルネオ島を旅してみてはいかがでしょうか」としています。

乗りものニュース編集部

最終更新:8月30日(火)12時27分

乗りものニュース