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都会のリスは睡眠不足 活動時間長め 北海道で調査

北海道新聞 8月30日(火)19時20分配信

活動時間、最大で4時間長く

 都市部にすむエゾリスは、郊外のエゾリスよりも巣の外に出て活動する時間が長いことが、北大環境科学院の大学院生らの研究で分かった。都市部の方が1日最大で4時間長いこともあった。学生らは「都市部は騒音や街灯の光などがあり、睡眠が取りにくいのかもしれない」と分析。今後は寿命などへの影響があるかなども詳しく調べる。

巣に戻る頻度に差

 学生らは自然豊かな郊外や山間部だけでなく、都市部にも多くの野生生物がいることに着目。人間がつくり出した環境に、どう適応しているかを調べている。

 エゾリスは針葉樹と広葉樹が混生する森林の樹木に巣を作って生息するが、都市部の公園などにもいるため、研究対象とした。

 調査は昨年11月、帯広市内で帯広畜産大生を含む8人で行った。JR帯広駅から約2キロの都市部の緑ケ丘公園と、15キロほど離れた郊外の富士町で2匹ずつエゾリスを捕獲。光と温度を感知するセンサーを付けた首輪を装着して放し、2週間後に首輪を回収した。

 光の感知時間は、巣の外での活動時間にあたり、巣に戻る頻度も確認できる。1日の平均活動時間は都市部では8時間20分、郊外では6時間37分で1時間43分の差があり、最大で約4時間、都市部の方が長い日もあった。

 外出後、途中で巣に戻る頻度は郊外が1日2~3回に対し、都市部では0回の日もあった。巣の温度は郊外が平均35~40度と安定していたが、都市部は同20~37度と幅があった。

 活動時間と巣に戻る頻度の差について、研究グループの内田健太さん(27)は「都市部はキツネやタカなどの天敵が少なく、巣に戻る必要がないとも考えられる」と分析。巣の温度差については、都市部は巣の材料となる樹皮や枝が集めにくく、巣の作りが貧弱な可能性があるという。

 指導する北大の小泉逸郎准教授(41)=動物生態学=は「サンプル数が少ないため、さらに検証する必要はあるが、都市部と自然下の生態の違いに着目した調査は道内で珍しい」と語る。

 今後はエゾリスの動きを3次元で解析できる「加速度計」を使い、より詳細な行動内容を調べ、なぜ都市部のリスの活動時間が長くなるのかや、寿命などへの影響を調査する。加速度計の購入費用は、インターネットを使った「クラウドファンディング」で31日まで募っている。募集サイトはhttps://academist-cf.com/

北海道新聞

最終更新:8月30日(火)19時20分

北海道新聞