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「不正送金額30億円」 ネットバンキングは安全とはかぎらない

マネーの達人 8/30(火) 5:17配信

日本の省庁や個人がサイバー犯罪の被害に遭う事例が増えている。

折りしも、2015年5月には、よりによって国民の納めた年金の情報を統括する日本年金機構が被害に遭い、個人情報を大量に流出させられた。

この流出問題はかなり世間を騒がせたが、本来なら抜本的な問題解決のための布陣を以って臨み、責任者を追放するレベルの問題でありながら、馬鹿げたことにこの組織はまだ存続している。

未だ情報漏えいの責任は果たされていない

はっきり言うが、パソコンに届いた不審なメールを開封し、その際にウィルスに感染してしまったことで、国民125万人以上もの個人情報を流出させるようなお粗末な組織に、私たちの年金情報を管理できるわけはない。

しかもこの顛末をよくよく紐解くと、適正なセキュリティソフトすら導入していなかったというのだからお笑い草だ。

元々、杜撰な管理体制が疑問視されていた社会保険庁を廃止し、平成22年に発足したこの特殊法人は、当初コンプライアンスの徹底とリスク管理の仕組みを構築することを、組織のキモとしていた。

それがたった数年のうちに、実態が社会保険庁のそれと何ら変わらないことが明らかになったのである。何度でも言うが、私たちはこんな組織に将来を託している。

流出した125万人以上の国民の個人情報についての内訳もまた涙が出るほど杜撰である。氏名、住所、基礎年金番号と、登録していたほぼ全ての情報がまんまとハッキングによって盗まれてしまっている。

この責任の全てを、今に至るまで日本年金機構は私たちに対して果たしていない。

今や不正送金の黄金時代か?

前項で少し触れたが、ハッキングを仕掛ける人間の手口は色々あるものの、ウィルスを感染させた上で個人情報を盗み取る場合、もっとも多く使われる手口はメールにウィルスを添付するというもの。

これなら開封した瞬間に相手方の端末をまんまと乗っ取ることができる。

それだけに、開封されなければハッキングは不可能。「不審なメールは開封せずに削除」、これを徹底しているだけで危機は回避できる。

もっとも、ハッカーとしてもウィルスメールは開封して欲しいと思っているので、仕事関係の連絡を装ってくるパターンも多いようだ。

日本年金機構の情報流出事件の発端も、業務内容についての連絡を装ったメールだったという。しかし、ウィルス対策が万全であれば、そもそもウィルス感染そのものが防げたはずである。

不正送金ネットバンキングに不正アクセスされた結果口座のお金を奪われる個人も出ている。

2014年に警察庁は、ネットバンキングによる不正送金額は、30億円という発表を行っている(警察庁「平成27年中のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況等について」より)。

便利なネットバンキングは、原則として個人しか利用できないものだが、これもウィルスに感染した端末を使っていないことが大前提。

仮にウィルスが感染した端末を利用してネットバンキングを行うと、ネット口座から不正にお金が送金されてしまうという結果になる。夢物語ではなく、実際に今や世界中でこうした被害が相次いでいる。

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最終更新:8/30(火) 5:17

マネーの達人

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