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今季最強「台風」...福島県内厳戒 港、果樹園など準備急ピッチ

福島民友新聞 8月30日(火)10時40分配信

 強い台風10号の接近と太平洋側からの上陸に備え、県内では29日、漁業関係者や果樹農家、原発関係者らが被害を抑えるための準備を迫られた。多くの学校が30日は休校となり、行事も延期に。市町村は土のう作りや避難所の用意などを行い、住民に最大級の警戒を呼び掛けた。

 「太平洋から直接上陸すると言われていて非常に心配している。漁業の復興が前進する中、大きな被害が出なければ良いが」。相馬双葉漁協の池田精一総務部長(59)は29日、海の様子を心配しながら、警戒感を募らせた。

 福島海上保安部は同日午前10時、小名浜、相馬両港の船を対象に避難勧告(第2態勢)を出し、大型の船に向けて沖出しなどの避難を呼び掛けた。いわき市漁協では雨や風で漁船が流されることがないよう漁業関係者が漁船を係留ロープを増やすなどして対応している。

 いわき市のアクアマリンパークが発着点の観光遊覧船「ふぇにっくす」は、同日午前で航行を中止し、小名浜漁港に船を移動して係留した。ふぇにっくすを運行するいわきデイクルーズの鈴木秀夫社長(64)は台風接近に「恵まれないね」と困り顔。30日も航行を見合わせるという。

 ナシ「幸水」の収穫の最盛期を迎えた、いわき市の果樹農家宮内寿雄さん(85)=マルウチ誓子梨園=は、園内に取り付けてある暴風対策のネットを確認。「横風による落果が心配だが、台風はどうすることもできない。耐えてもらいたい」と、枝に実ったナシを見つめた。福島市のリンゴ農家でも、早めの収穫を急ぐ姿が見られた。

 県は29日、福島市で全市町村と各地方振興局などを結んだテレビ会議を開き対応を確認した。南相馬市は避難準備情報を発令。郡山、会津若松、相馬などの各市は浸水対策として土のうを用意した。

 福島第1原発でも対策

 廃炉作業が行われている東京電力福島第1原発では29日、風で資機材が飛ばないようシートをかぶせたり、重機に重りを付けたりするなどの対策が取られた。30日は、1号機建屋カバー解体や排気筒下部にある水槽「ドレンサンプピット」からの雨水回収など屋外の作業は中止する。地上タンク群の周りに設置された堰(せき)にたまった雨水が外部に漏れる恐れがある場合、別のタンク群に移送する。

福島民友新聞

最終更新:8月30日(火)10時40分

福島民友新聞