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<河川敷16歳殺人>1週間…供述が二転三転 偽装や口裏合わせか

埼玉新聞 8/30(火) 22:21配信

 埼玉県東松山市下唐子の都幾川河川敷で吉見町中曽根の井上翼さん(16)が殺害された事件は30日、発覚から1週間を迎えた。捜査関係者によると、少年らは井上さんがうそをついて遊びの誘いを断ったことに立腹。集団で暴行を加え、溺死させたとみられる。しかし、5人の役割や関与の度合いは明らかになっていない。少年らの供述が変遷しているほか、22日の台風の影響で証拠が流れてしまっていることもあり、事件の全容解明には時間がかかりそうだ。

 逮捕された少年5人は兄弟や中学の同級生らが集まった遊び仲間で、地元の不良グループ「パズル」のメンバーも含まれていた。井上さんは今年5月ごろに一部の少年と知り合い、友人に「金を巻き上げられた」と打ち明けていた。5人と行動を共にするようになったのは今月17日ごろから。その1週間後の23日午前8時ごろ、河川敷で遺体となって発見された。井上さんは全裸で、下半身と上半身の左側が砂利に埋まり、全身に多数の打撲痕があった。

 井上さんと少年らとの間に何があったのか。逮捕された東松山市の16歳少年は「うそをついたり、電話やメールを無視したから殺した」と供述。捜査関係者によると、井上さんは少年らから遊びに誘われた際、東松山市内にいたのに「大宮にいる」と断り、連絡にも応答しなかった。このうそが少年らの怒りを買い、集団暴行に発展したという。

 現場近くのコンビニエンスストアでは22日午前2時半ごろ、井上さんの姿が目撃されている。その後の同日未明から早朝にかけ、5人は井上さんを殴ったり、川の水に頭を沈めるなど、執ような暴行を加えて溺死させた疑いが持たれている。捜査関係者によると、5人は暴行への関与を認めているものの、殺意についてはいずれも否認。供述は二転三転し、口裏合わせもしているという。

 井上さんの友人によると、22日午後10時50分ごろ、逮捕された東松山市の少年(16)から「つばさと連絡取れなくてイライラしてる」というメッセージが送られていた。当時、井上さんは既に殺害されていたとみられ、偽装した可能性も浮上している。

 井上さんの遺体が人為的に埋められたのか、自然現象で埋まったのかも未解明のままだ。22日は台風の影響で都幾川が増水し、夕方には河川敷は水没していた。県警は当時の状況を調べるため、再現実験も検討している。

 ある捜査幹部は「被害者の夢や将来を奪い、家族を悲しませ、周辺住民にも不安を与えた。ただの『少年たちが起こした事件』ではない。しっかりと背景を調べ、真相を究明したい」と話した。

最終更新:8/30(火) 22:21

埼玉新聞