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土砂災害警戒区域、指定5割

紀伊民報 8月30日(火)16時35分配信

 土砂災害防止法に基づいて和歌山県が指定する土砂災害警戒区域は、9日現在8748カ所(うち特別警戒区域5815カ所)となり、2011年の紀伊半島大水害以前に比べ、7・3倍に増えた。ただ、危険箇所に対する指定率は47・3%で全国の68・3%を下回る。県は20年度までの指定率100%を目指している。

 都道府県は急傾斜地の崩壊や土石流、地滑りの危険がある「土砂災害危険箇所」を基礎調査し、住民に危険が及ぶ可能性がある場所を警戒区域、警戒区域内で建物が壊れて住民に著しい危害が及ぶ恐れがある場所を特別警戒区域に指定する。

 警戒区域では、住民の避難計画やハザードマップ作成が市町村に義務付けられるほか、不動産取引の際に警戒区域であることを明示する義務がある。特別警戒区域では、防災工事をしなければ宅地造成や学校、病院の建設はできない。既存の建物については、知事が移転を勧告する場合もある。移転費用については補助金や住宅金融支援機構の融資などが受けられる。

 11年3月末時点で、印南町以南12市町村で指定があったのは6市町村。半年後の紀伊半島大水害で被害の大きかった田辺市は36カ所(同36カ所)、新宮市や那智勝浦町はゼロだった。土石流や深層崩壊が発生した場所も指定していなかった。

 しかし、紀伊半島大水害以後は指定が進み、9日現在、田辺市は1321カ所(同270カ所)で指定率44・4%、新宮市は363カ所(同324カ所)で78・6%、那智勝浦町は416カ所(同105カ所)で62・8%。県砂防課は「大水害を機に、どこでも土砂災害の起こる可能性があることが住民に認識されてきたことが大きい。20年度の指定100%に向け、順調に進んでいる」と話している。

最終更新:8月30日(火)16時35分

紀伊民報