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「佛原」後世に伝え、小松能楽会が教本を作成 9月17日披露

北國新聞社 8月30日(火)2時39分配信

 小松能楽会(小松市)は、ちょうど100年前に廃曲となった地元ゆかりの宝生流謡曲「佛原(ほとけのはら)」を後世に継承するため、宝生流謡(うたい)本(ぼん)を現代風に分かりやすく書き写した教本を制作した。同会は教本を使って稽古を重ね、9月17日に同市のこまつ曳山交流館みよっさで20年ぶりに披露する。

 約650年前に成立した謡曲「佛原」は、同市原町に生まれたとされるシテ役(主人公)の仏御前とワキ役(準主役)の旅の僧とのやりとりが描かれる。「安宅」「祇王」「実盛」とともに小松を舞台とした謡曲だったが、1916(大正5)年に廃曲となった。

 「佛原」は1996(平成8)年、小松市内の能楽関係者らが研究部会を発足させ、同市原町の仏御前尊像安置所で奉納したが、これを最後に市内では披露されていない。小松能楽会は「地元ゆかりの伝統芸能を埋もれさせておくのはしのびない」と最後の演能から20年を経た今年、地元での普及を図ることを決めた。

 稽古では、宝生流謡本が崩し字で記されているため「佛原」を広く伝えるには難しいとし、同会の大間豊光会長や瀧幸一さん、義本高明さんら有志は、今年初めから分かりやすい教本の制作に取り掛かった。

 約半年かけて完成した教本は「佛原」のあらすじと謡を掲載し、文字は読みやすい楷書に改めた。元の謡本にはない工夫として、発声する音の長さが分かるよう、半音と二音の区別も「点」の長さで表現している。和歌にあたる箇所には言葉の直前に「ワカ」と書き添え、感情を込めて謡うことなどもアドバイスしている。

 新しく完成した教本は100部用意され、まずは小松能楽会員が教本での練習を行う。同会では、9月17日の上演を皮切りに、市内のイベントなどでふるさとの謡曲「佛原」の魅力と歴史を後世に伝えていく。大間会長は「地元ゆかりの謡曲を復元することで伝統を継承し、小松の活性化にもつながればうれしい」と話した。

北國新聞社

最終更新:8月30日(火)2時39分

北國新聞社