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三菱商CFO:格付け悪化に危機感、事業部門ごと資金管理を徹底

Bloomberg 8月29日(月)6時0分配信

三菱商事の増一行最高財務責任者(CFO)はブルームバーグとのインタビューで、大規模な減損損失の計上によって悪化した格付けの改善を図るため、キャッシュフロー(現金収支)の管理を7つの事業グループごとに分けて徹底させる考えを示した。足元では低金利で資金調達しやすい環境にあるものの、将来金融不安などの突発的な事態が起きた場合でも悪影響が出ないよう有利子負債の残高を増やさない方針だ。

増CFOは「金融収縮が起きた際に格付けが悪いと非常に危ない状態になる」と指摘。資金調達に支障が出る恐れや抱える有利子負債残高も約6兆円と絶対額としては大きく、借り換えのための資金調達コストが膨らむ懸念もある。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6月、三菱商の格付けを「A2」へと1段階引き下げた。もう2段階下がれば「A」格から落ちることになり、「これは絶対に避けないといけない」と語った。

エネルギーや金属、機械、生活産業といった7つの事業グループにおいて投資は各グループが稼いだ資金の範囲内に抑える。資金が足りない場合には各グループ内での資産売却によって手当てする仕組みを今期(2017年3月期)から取り入れた。これまでは会社全体でキャッシュフローを管理していたが、各事業グループの段階にまで落とし込むことでより徹底を図る。

今期から3年間での新規投資のめどは2兆円程度。運転資金を除いたフリーキャッシュフローは計1兆円を見込み、そのうち3000億円を配当原資に、7000億円を投資資金に充てる。残る1兆3000億円程度の投資資金は資産売却による資金回収でまかなう。大型案件などで全体の投資額が上振れる場合には資産売却を上積みすることで対応し、投資による実際の資金支出額を7000億円とすることを重視する。

前期に初の赤字

三菱商は前期(16年3月期)に資源を中心とした減損処理など計4260億円の損失を計上。同期は1494億円の純損失と初の最終赤字に陥った。4月に就任した垣内威彦社長は「資源と非資源のバランスの見直し」と「キャッシュフロー重視の経営」を喫緊の経営課題に掲げた。

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最終更新:8月29日(月)10時46分

Bloomberg