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三菱自8車種でカタログ燃費未達、顧客に賠償-国交省は販売自粛指示

Bloomberg 8月30日(火)17時41分配信

燃費不正問題のあった三菱自動車について国土交通省が確認試験をした結果、先に燃費不正が発覚していた軽自動車4車種を除いた現行販売9車種のうち8車種でカタログ燃費を下回っていた。国交省は対象車種の販売自粛を指示した。三菱自は顧客に損害賠償を支払う。

国交省の30日の発表資料によると、三菱自の車両の確認試験で、ガソリン車とディーゼル車で最大約8.8%、平均約4.2%、カタログ燃費を下回った。カタログ燃費未達の車種に関して、国交省自動車局の斧田孝夫氏は記者団に対し、三菱自に販売自粛を指示したことを明らかにし、販売再開には修正手続きなどで2-3週間ぐらいかかる見通しを示した。燃費修正が必要になる対象車種で販売された台数は約7万6000台になるという。

三菱自は同日、国交省の指摘を受けて新燃費値を申請するとしたほか、顧客に対して燃料代の差額と自動車関連諸税の増額分の損害賠償金を支払うと発表。今期(2017年3月期)決算で特別損失として約70億円を追加計上する見込みだが、業績予想は変更しないとした。

三菱自の益子修会長兼社長は発表会見で、今回の問題となった車種の販売停止が2週間程度になるとみていると明らかにした。生産への影響については、国内生産分を海外へ振り向けるなどで影響が出ることはないとし、雇用にも影響ないとの見通しを示した。

三菱自が損害賠償を支払う額は1台当たりで、「RVR」で10万円、「デリカ D:5」と「ミラージュ」、「パジェロ」(ガソリン車)で各6万円、「アウトランダーPHEV」と「iーMiEV」(Xグレード)、「ミニキャブ・ミーブ トラック」で各3万円。

国交省はまた、三菱自で走行抵抗値の測定方法に不正な扱い(低い値を抽出)があったことが判明し、是正を指示した。一方、三菱自の今回の問題に対しては、対応する法律がないため、行政処分や罰則はないという。

三菱自をめぐっては、燃費試験で不正行為があったことが4月に発覚。対象となった軽自動車の生産・販売を一時停止したことなどもあり、国内販売が落ち込んでいた。外部有識者による特別調査委員会は、閉鎖的な体質が改められていないなど会社全体の問題と指摘していた。三菱自に対しては日産自動車が議決権比率で34%を取得する方向で、両社は購買、車両プラットフォーム(車台)の共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用など広範な分野で協力していく方針だ。

日産自は三菱自のデューディリジェンス(資産などの適正評価)中だが、三菱自の益子氏は国内の問題を外して考えることになっているため、今回の問題が資本提携に影響することはないとの認識を示した。

一方、燃費不正問題のあったスズキについても国交省が確認試験をした結果、現行販売26車種の全車両でカタログ燃費を上回った。スズキでも国の規定と異なる燃費測定方法があったことが5月に発覚、国の規定と異なる測定法による走行抵抗値を申請値に使用していた。

Yuki Hagiwara, Masatsugu Horie

最終更新:8月30日(火)18時53分

Bloomberg