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電力の「ネガワット取引」、直接協議方式で2017年4月に開始

スマートジャパン 8月31日(水)11時25分配信

 電力システム改革の大きな目的の1つは、従来の硬直的な需給体制から脱却して、電力を無駄なく効率的に利用できる仕組みを作ることにある。それを象徴する取り組みが「ネガワット取引」の導入だ。需要家が節電した電力を事業者が買い取って、その電力を他の需要家に供給して活用する。

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 ネガワット取引が全国各地に広がれば、夏や冬に電力の需要が増加した時でも、小売電気事業者はネガワット取引を通じて必要な供給量を調達しやすくなる。政府は2017年4月にネガワット取引を開始するために、実施ルールや運用システムの整備を進めているところだ。

 現時点ではネガワット取引を実施するスキームとして3通りを想定している。このうち2017年4月から適用できるのは「直接協議スキーム」である。需要家と小売電気事業者、さらに仲介役のネガワット事業者が取引の条件を協議して合意する方式で、3種類のスキームの中では運用が最も簡単になる。

 ほかには需要家と小売電気事業者が事前に節電量を決める「確定数量契約スキーム」や、一定のルールをもとに送配電事業者などが取引を仲介する「第三者仲介スキーム」がある。この2つのスキームは直接協議の場合と比べて取引を効率よく進められるメリットがあり、ネガワット取引の拡大には欠かせない。ただしルールやシステムの整備に時間がかかる。

 政府は運用方法が簡単な直接協議スキームを2017年4月1日に開始した後に、残る2つのスキームを2017年内に実施することを目指している。ここで問題になってくるのが、国全体の電力の需給調整を担う電力広域的運営推進機関(広域機関)のシステムである。

システムの運用開始は早くて2017年10月

 ネガワット取引を実施するためには、運用方法が最も簡単な直接協議スキームの場合でも、各種の契約に基づくさまざまな情報のやりとりが必要になる。その中心的な役割を担うのは取引を仲介するネガワット事業者だ。各需要家の節電量をもとに需要抑制計画を策定して、広域機関や小売電気事業者に通知する。

 さらにネガワット取引を実施する前日になったら、需要家ごとの節電前の需要を想定した「ベースライン」のデータを広域機関に提出する必要がある。取引の当日には最終的な需要抑制計画やベースラインを関係者に通知して、電力の需給調整を円滑に実施できるようにしなくてはならない。

 こうした一連の情報共有にはIT(情報技術)を活用したシステムが不可欠である。ところが肝心の広域機関のシステムに不具合が発生していて、ネガワット取引に必要な改修を2017年4月1日に間に合わせることができない状況だ。

 現時点の見通しでは、ネガワット事業者が広域機関のシステムを使って需要抑制計画やベースラインの情報を提出できる時期は早くても2017年10月である。それまでのあいだは暫定的な運用方法として、メールや掲示板の仕組みを使ってデータを送信しなくてはならない。ネガワット事業者の負担が増えるため、取引の拡大を妨げてしまう可能性がある。

 一方で2017年内の開始を想定している確定数量契約スキームと第三者仲介スキームについては、実施に必要なルールやシステムの整備に課題が残っている。政府の委員会で検討を続けながら、具体的なルールやシステムの要件を固めていく。ネガワット取引は直接協議スキームによる試験的な運用を通じて2017年度に実施体制を整備したうえで、2018年度から本格的に拡大していく見通しだ。

最終更新:8月31日(水)11時25分

スマートジャパン

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