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池波正太郎も愛した築地のロースカツ 旨みたっぷりの脂身「大トロ」級わらじカツ 昭和38年創業かつ平

withnews 9月6日(火)10時0分配信

  「まず、真ん中の一切れは何もつけずそのままで。右側は大トロ、左側は中トロだから塩としょうゆで食べ比べてみてね」。ロースカツを注文すると店主は笑顔で言った。私は覚えられず、好きなようにソースをかけて食べた。それでも怒られなかった。これが私と「かつ平」の出会い。作家・池波正太郎も愛した築地のとんかつ店だ。

【画像】これが大トロ級の脂身。サクサク衣のロースカツを揚げる様子や、ヒレよりロースが高価なお品書きも

ロースは特注、ヒレより高い

 築地といえば海鮮。確かにそうだが、海鮮以外にもおいしい店はたくさんある。かつ平もその一つだ。

 かわいらしい豚が3匹並んだのれんをくぐると、5人座れるカウンター席とテーブル席が二つ。

 「まいど、お兄さん。いらっしゃい」

 白衣に身を包んだ店主・相野谷信之さん(50)が笑顔で迎えてくれる。

 壁のお品書きには、ロースカツライス(1150円)、ヒレカツライス(1050円)、海老フライライス(1050円)、ヒレ海老ライス(1500円)、カツカレー(850円)。迷わずロースを注文すると、こう話しかけられた。

 「ヒレよりロースの方が高いでしょ。普通のお店とは逆なんですよ」

 肉は脂身を多めにした特注品。その分、仕入れ値も上がるそうだ。この脂身こそが、かつ平の最大の特徴。しっかりした旨みがある。月(にくづき)に旨いと書いて脂とはよく言ったものだ。

亡き父の後を継いで

 かつ平の創業は1963年(昭和38年)。信之さんの父・益雄さんがはじめた店だ。今から25年ほど前、「ああ疲れた」と横になったきり、起き上がることはなかった。動脈瘤破裂だった。

 しばらくの間、益雄さんの妻である静枝さん(75)が店を切り盛りした。

 「池波正太郎の銀座日記(全)」(新潮文庫)にはこう記されている。

 「未亡人の揚げたロース・カツレツは亡き主人のカツレツそのもので、息子も調理師の免状を取り、母をたすけて懸命にはたらく。いまも変わりなく繁昌しているらしい。何よりだ」

 大学と調理師学校の両方に通っていた信之さんが、まもなく2代目として店を継いだ。

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最終更新:9月6日(火)10時0分

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