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豪コモンウェルス銀行 人間型ロボット「CHIP」でAI研究

ZUU online 8月31日(水)7時10分配信

オーストラリアのコモンウェルス銀行が、AI(人工知能)研究用に人間型ロボット「CHIP」を採用し、大学の研究機関を通して、テクノロジーに秘められた様々な可能性を探索する。

現時点では世界に3台しかない、スペインのパル・ロボティクスによる「REEMロボット」で、購入価格は30万ドル(約3010万円)。ロボットを直接的な業務目的ではなく、ロボットの研究に採用するという発想が新鮮だ。

■工科学生に広範囲なロボット研究、開発の場を提供

コモンウェルス銀行はシドニーに開設した「コモン銀行・イノベーション・ラボ」で、オーストラリアの優秀な工科大学の学生が研究、開発に「CHIP」を利用できる環境を提供する予定だ。

まずは2年間の研究提携を結んだシドニー工科大学とオーストラリア・テクノロジー・ネットワーク大学が、「人間とロボットの共存」というテーマで共同研究を開始する。

コモンウェルス銀行ホールセール部門のエクゼクティブ、ケリー・ロズマリン氏は、「将来的にはロボットが人間の生活の一部となる」と確信している一人だ。

CHIPを利用した研究によって、「そうした変化が顧客やオーストラリアの産業にどのような影響を与えるのか」という点についての理解を深めたいとコメントしている。

今回の研究、開発にはオーストラリアの大手土地開発会社、ストックランドも参加しており、金融分野のみにとどまらない広範囲な可能性が探索される。

ビジネスパークからショッピングモール、住宅地域に至るまで、ロボット工学を活用できる手段が発見されることを、ストックランドは期待しているという。

■「どこまでロボットを信用できるか」が今後の課題

みずほ銀行のロボアド「スマートフォリオ」や人型ロボット「Pepper」などで、日本でもお馴染みとなったロボット金融。

そのほかの産業でも、工場では無人搬送車や双腕型ロボットが、自動車産業では無人自動車が、サービス産業ではコンパニオン型ロボットが出現し、人間の生活を徐々に変え始めている。

二足歩行型は最早常識。現在は宇宙探検ロボットや災害対策ロボットの開発が進められているほか、料理から自然な会話まで可能な家政婦型ロボット「ロメオ」、秘書型ロボット「ホヴィス」など、各国で最新の技術を屈指したロボットが続々と登場している。

各開発メーカーは単なる機械仕掛けのロボットという発想から、「人間に近い感情をもったロボット(ヒューマノイド)」の開発に一歩前進し、ひと昔前ならばSF映画やコミックブックの世界でしか見られなかった光景が、現実で体験できる時代になった。

それと同時に安全性への懸念も持ちあがっており、開発側にとっては今後の重要な課題となりそうだ。

重量のある等身大、あるいはそれ以上の大型ロボットが人間に倒れかかる事故が起きれば、かすり傷程度ではすまないはずだ。

また身体的損傷以外にも、「どこまでロボットを信用できるか」というジレンマもある。特に金融機関のような膨大なデータが飛び交う世界でロボットが暴走すれば、大混乱を招くリスクは避けられない。

コモン銀行・イノベーション・ラボはそうしたリスクも踏まえ、対策を研究していく姿勢を示している。(ZUU online 編集部)

最終更新:8月31日(水)7時10分

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