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虐待疑い「躊躇せずに介入を」 静岡、検証部会が防止策提言

@S[アットエス] by 静岡新聞 8月31日(水)8時4分配信

 伊東市の2児暴行死事件などを受けて設置された静岡県社会福祉審議会の児童虐待検証部会(部会長・高橋一弘大正大教授)は30日、事件の背景を検証して再発防止策をまとめた報告書を、県に提出した。高橋部会長は「(関係機関が)子どもの安全を最優先に考え躊躇(ちゅうちょ)せずに介入することが必要」などと訴えた。

 事件は2012年、伊東市で当時2歳の男児が脳損傷で死亡。14年、男児の妹にあたる当時8カ月の女児も頭部のけがが原因で死亡した。2児の父親は虐待を否定したが、16年5月、2児に対する殺人と傷害致死の罪で静岡地裁沼津支部から懲役16年の判決を受けた。6月2日に東京高裁に控訴している。

 報告書は、事件前にも複数回頭部にけがをしていた男児を児童相談所が一時保護しながら家庭に戻した点を問題に挙げた。その上で、両親を説得して措置を継続し、子ども自身が語れる年齢になってから家庭復帰させる▽虐待と断定できなくても頭部外傷のようなリスクが高い場合は介入的アプローチに方針転換すべき―などと提言した。児相が親子への支援と介入を両立しなくてはいけない現行制度についても「国レベルで検討が必要」と指摘した。

 女児の事案については、事前にけがの情報を入手した市が単独で対応し、児相の介入がなかった点を課題に挙げた。兄の事案を考えれば虐待の可能性は高く、市は児相に対応を依頼するなど役割分担に基づいた連携が必要だったと指摘した。

 報告書は、下田市で14年、母親が自宅で出産した女児を殺害したなどとして死体遺棄の罪に問われた事件についても提言し、妊娠・出産に関する相談支援体制の充実、望まない妊娠の予防教育などの必要性を明記した。

 検証部会は医師や弁護士、保育関係者ら7人で構成。報告書は県のホームページに掲載するほか全国の都道府県や関係機関に送る。高橋部会長は「関係者の批判や責任追及が目的ではない。関係機関の連携を強め、再発を防ぎたい」と話した。

静岡新聞社

最終更新:8月31日(水)8時4分

@S[アットエス] by 静岡新聞