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腰をピキッと痛めた時は? 間違いがちな腰痛対処法

All About 8月31日(水)21時45分配信

■対処を間違えると腰痛が悪化することも
腰が痛くなった時、すぐに対処をしますか? 初めて腰痛を経験した人は、なんとなく聞いたことがあるような知識で対処することが多いようです。

しかし、自分の腰の痛みにその対処法であっているのか、実はよくわからないという声も少なくありません。最初の対処が間違っていると腰痛緩和に効果がないだけでなく、腰痛が悪化したり長引いたりすることもあるので、注意が必要です。実際にうかがった対処法の失敗談を例に、正しい対処法をご紹介します。

■腰に違和感があるけれど動けてしまう例
29歳で3歳児の母親であるA子さんは、健康には自信のあるパワフルで明るい印象の女性。毎朝、子供を保育園に送り、事務のパートを4時間しています。

仕事が終わると、近所のスーパーで買い物をして帰宅し、掃除などの家事を済ませます。早く済めば、少しだけ自分の時間ができます。仕事が休みの土曜日・日曜日も思う存分体を休めてリフレッシュする、ということはほとんどありません。しかし、それでも特に疲労感は感じていないそうです。

腰痛経験もなかったA子さんですが、その日は少し体に変化を感じました。仕事の後、掃除を終えて、自転車で保育園へ子供を迎えに行きました。その時です。子供を自転車の子供用イスに座らせようと、抱きかかえ持ち上げた瞬間のことでした。右の腰にピキッと軽い痛みが走りました。初めての経験でしたが、少し違和感が残った程度で、動くこともできたので、そのまま自転車に乗って帰りました。

■対処法を間違えてしまうと翌朝ツライ
帰宅後も違和感はあったものの、いつも通り家事をして食事も済ませました。さて、お風呂に入る時間です。子供と一緒に入ったので、ゆっくりとしたバスタイムではありませんでした。そしてA子さんは、雑誌で読んだことのある情報を思い出しました。

「腰の調子が悪い時はマッサージでほぐして、あとはお風呂でゆっくり温めて血行をよくすればいいんだ」

就寝の直前に、夫に腰の筋肉がほぐれるように強めに押してもらいました。もう指が痛いからと、マッサージを切り上げたそうな夫にかまわず、筋肉ほぐしは続きました。そして、お風呂へゆっくりと浸かり、体の芯まで温まり、その夜は体が温かいうちに布団へ入ったのです。

この後、A子さんはどうなったでしょう? 就寝前の努力の結果、筋肉の血流はよくなり、腰も軽快な朝を迎えた、と言いたいところですが、朝、目が覚めて起き上がろうとした時、腰痛が悪化していることに気がつきました。昨日はできた動作が、今は思うようにできないのです。A子さんの腰はどうなってしまったのでしょうか?

■「腰痛は温めればいい」は間違い!? 腰痛対処のポイント
「腰痛になったら、血行をよくしましょう」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。その血行改善に役立つものとして、市販のマッサージグッズや入浴法、体操など、いろいろなものがあります。どうしてもツライ時は、家族や友達に頼んで、筋肉を押したり、さすったりしてもらうのもよいといわれます。

ここでポイントになるのは、今ツラい腰痛がこれらの「血行を改善させること」が効果的なタイプの腰痛かどうか、ということです。A子さんは、過去に今回のような腰痛の経験がなかったせいもあり、判断を間違えてしまったようです。

■温めるべきか冷やすべきか……腰痛対処法を決める基準は?
自己判断はとても難しいところではあるのですが、おおまかな目安を知っておくとよいと思います。A子さんが、最初に腰に違和感を覚えたのは、子供を自転車に乗せようと抱きかかえた瞬間でした。このように、何かの動作をとった瞬間に痛みが出た場合は、「急性腰痛」の症状につながるケースが多いため、血液循環がよくなる対処法で悪化する可能性が高くなります。

痛みがそれほど強くなく、体も動かすことができたとしても、その後に腰に負担をかけたり、ゆっくりお風呂で温まることで、翌朝に腰痛がひどくなってしまうケースも、今回の例のようにあります。腰の痛めた部分が少なからず炎症している場合が多いため、これを鎮めるためには、冷却するのが効果的です。ビニール袋に氷を入れ、少しだけ水を足した簡単なものでよいので、約10分間痛い部分を冷やしましょう。

■温めると効果的なのは慢性的な腰痛
反対に、温めて血行を改善させる方法が有効的な腰痛は「慢性的な腰痛」です。「デスクワークで座っていると、腰が重くなって徐々に痛くなってくる」「同じような腰の痛みが、1年近くあり、運動をすると多少楽になる」といった「突然の痛み」ではないケースは、筋肉の血行不良によりこり固まった状態が原因のひとつとして考えられます。血行を改善させ、さらなる悪化を予防しなくてはなりません。

■長引く腰痛を抱えている場合は受診も検討を
慢性腰痛でも症状に波があり、残業や肉体労働などで、体に無理をかけてしまった日から、痛みが強くなるケースもありますが、自己判断が難しい時は、専門の先生に診てもらい、適切な処置とアドバイスを受けましょう。慢性腰痛は、ある程度痛みの種類や部位が決まってくるのですが、その中でも、時々違う部位が痛くなったり、痛み方が違ったりすることがあります。そうなると、また別の問題が隠れているかもしれませんので、この場合も専門の先生を受診すると安心です。

温めるべきか冷やすべきか、判断に悩むと思いますが、間違った処置をしてしまった場合、すぐに気づくことができたという話もよく聞きます。炎症が強い状態で温めてしまい、途中で痛みが強くなったため、すぐに冷やしたら痛みが和らいだ、というような場合です。急性の腰痛では、なるべく早く冷やすことができると、治りが早いようです。上手に対処ができるとよいですね。


文・檜垣 暁子(All About 腰痛)

檜垣 暁子

最終更新:8月31日(水)21時45分

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