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勤務医数 震災前より増 福医大定員増が奏功

福島民報 8/31(水) 10:04配信

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、一時大幅に減った福島県内の病院勤務医数は年々回復し、4月1日現在で震災前より87人多い2106人となった。県は福島医大の入学定員を増やすなど、以前からの医師確保策が成果を上げたとみている。一方、避難区域を抱える相双地方は回復傾向にあるが、医師数が減少したままで、県は同地方の医療機関に対する支援に力を入れる。
 県内には平成23年3月1日時点で2019人の勤務医がいた。しかし、震災と原発事故後は相双地方を中心に病院の休止や医師の避難などが相次ぎ、24年4月1日時点では1954人と23年3月より65人少なくなった。その後は公的病院の多い県北、会津両地方などで増加。今年4月1日時点の勤務医数は前年同期比65人と大幅に増えた。
 震災前より県南、いわきは若干増え、南会津は同数となっている。一方、相双と県中両地方は震災前に比べ減少している。
 勤務医数が増え続けている要因について、県は20年度以降、福島医大の医学部入試の定員を毎年5~15人ずつ増やし、卒業後に県内の公的病院などで勤務することを入学の条件とする「地域枠」を設けたことが成果につながったとみている。各病院が被災地の医療を学べるなど研修医向けの教育課程を充実させたことも功を奏したと分析している。

■人材の受け皿づくり急務 相双地方、不足続く

 勤務医以外も含めた県内の医師数は全国平均を大きく下回っている。人口10万人当たりの医師数(26年末)を診療科別で見ると、小児科が10・7人(全国平均13・2人)、産婦人科が6・5人(同8・7人)と少ないのが実情だ。
 相双地方は24年4月から病院勤務医は毎年増え続けているが、震災前に120人いたのが今年4月で90人と2割以上減ったまま。病院数に対して不足する状態が続いている。病院数の多い地方で医師の定着が進む中、相双地方は元々あった16病院のうち少なくとも5病院がまだ再開しておらず、医療人材の受け皿づくりが急務となっている。
 県は30日の県議会各会派の政調会で、9月定例県議会に提出する一般会計補正予算案に、避難区域の医療機関の再開支援に向けた事業費など8億円を計上する方針を示した。県医療人材対策室は「来年3月までに居住制限、避難指示解除両区域が解除されれば、県内の医療需要は大きく変化するだろう。県民の健康を守るため、医療の復興に一層力を入れたい」としている。

福島民報社

最終更新:8/31(水) 17:11

福島民報