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子どもの自殺が最多 夏休み明け“魔の9月1日”どう防ぐ?

日刊ゲンダイDIGITAL 8月31日(水)18時24分配信

 子どもたちの新学期が始まる9月1日。実はこの日、一年のうちで最も子どもの自殺が多い日でもある。

 内閣府が調査した1972~2013年における18歳以下の子どもの自殺件数の日別平均は49・4人(42年トータル)。ところが、9月1日は131人となっており、断然自殺件数が多くなるのだ。

 また、9月2日は94人、8月31日には92人と、これまた多い。

 夏休み明けにこれほどまでに自殺件数が急増するのは、いったいなぜなのか。都内のフリースクール「東京シューレ」代表の奥地圭子氏は「夏休みに限らず、冬・春休みやゴールデンウイークなどの連休明けには多くなる傾向です」と説明した上で、こう話す。

「学校生活に不安や悩みを抱えている子たちにとっては、休み明けが近づいてくるのが恐怖なんです。でも、親や先生など周囲の大人はつい、『夏休み明けからは頑張って通おうね』と声をかけてしまいがち。そしてその期待に応えようと、『2学期は頑張るから』と言わざるを得ず、苦しい思いをする、そんな子が多いのです」

 長期休みは「リセット期間」のようにも思えるが、不安や悩みが休んだだけで解決されるわけではない。その上に周囲の期待がプレッシャーとなり、押しつぶされてしまうのだ。

■学校だけが選択肢ではない

 奥地氏は、そもそも「学校は行かなくてはいけない場所」という価値観が固定化されていることが問題だと言う。

「国も不登校への対策を進める中で、学校以外の選択肢を示してきています。しかし、学校側はいまだに『学校に復帰させる』ことに目標を置いたり、親も子どもも『学校に行かなくては将来がない』と思い込んでしまったり、選択肢がないと思い込んでしまっているんです。だから、追い詰められてしまうのです」

 実際に、92年からはフリースクールに通っても、在籍する学校で出席日数がカウントされるようになっている。また、従来の学校教育とは異なる独自の学習指導を行う「オルタナティブスクール」も各種あり、各自治体の教育委員会が運営する「適応指導教室」(教育支援センター)といった選択肢もある。

「単に、『学校は休んでもいいんだよ』と声をかけるだけでは、『でも行かないとどうなっちゃうんだろう』と子どもは不安に思います。選択肢があるということを知ることが大切なんです。そのためには『学校だけが選択肢ではない』ということを、親や教育関係者だけでなく、一般社会が理解することが必要です」(奥地氏)

 1日が始業式という学校も多いが、死んだら何にもならないのだ。

最終更新:8月31日(水)18時24分

日刊ゲンダイDIGITAL