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夢の島最後のワーハピで14組熱演!ラストは33年ぶりの「君に、胸キュン。」

音楽ナタリー 8月31日(水)20時15分配信

高橋幸宏がキュレーターを務める野外音楽イベント「WORLD HAPPINESS 2016」が8月28日(日)に東京・夢の島公園陸上競技場で開催された。夢の島公園は2008年の第1回以来長らくワーハピの会場として親しまれてきたが、東京オリンピック開催予定地の1つでもあることからここでの開催は今回が最後。このフィナーレを盛り上げるべく14組のアーティストが熱演を繰り広げた。

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オープニングアクトの柴田聡子がレフトステージにて弾き語りで「カープファンの子」などを歌ったのち、センターステージに最初に現れたのは林立夫、沼澤尚(シアターブルック)という2人のドラマーを中心にしたAFTER SCHOOL HANGOUT。鈴木茂(G)、森俊之(Key)、沖山優司(B)、Leyona(Vo)、高橋幸宏(Vo)という豪華な顔ぶれが集結し、「学生時代、放課後によく聴いた洋楽曲をカバーする」をコンセプトにしてうららかでリラックスした演奏を聴かせる。さらにThe Beatlesの「Lady Madonna」ではLEO今井、Crosby, Stills, Nash & Youngの「Helpless」では矢野顕子がゲストボーカルとして登場。最後のトッド・ラングレン「I Saw The Light」では矢野、LEO、Leyona、幸宏が4人で歌声を響かせあった。

レフトステージではWEAVERが「Shall we dance」からライブをスタートさせ、カラフルでダンサブルなピアノサウンドで会場は一気に大盛り上がりに。「くちづけDiamond」の途中でメンバー3人はピアノに集まり、連弾でYellow Magic Orchestraの「ライディーン」を演奏して観客を驚かせた。

矢野顕子のライブは、前半は1人でピアノの弾き語りを披露。事前にセットリストを決めずその場で思いついた曲を歌っていくスタイルで、「CHILDREN IN THE SUMMER」や、 はっぴいえんどのカバー「夏なんです」といった夏の終わりにピッタリの楽曲を歌唱した。後半、牛乳と花を手に持ったSeihoがステージに現れ、彼は生け花をしながら美しく繊細な電子音を発信。その後2人のコラボによる「Tong Poo」が演奏されると客席のYMOファンが沸き、ラストは11月30日発売のベストアルバム「矢野山脈」に収録される、Seihoとのコラボによる「春咲小紅(矢野山脈ver)」も披露された。

続いてレフトステージに姿を見せたのはYkiki Beat。この日の彼らは人気曲「Forever」を演奏せず、陰のある1980年代ニューウェーブ風の曲を中心にした攻めたセットリストでライブを行った。メンバーはこの日の出演者の中では最年少だが、それを感じさせない堂々たるステージングで雄大なサウンドを響かせていた。

スチャダラパーはギタリストのKASHIFを含むバンド編成でライブを実施。グループとしてはYMOを抜いてワーハピ最多出場となったことを受けて、「俺たちも3人組なので後を継ごうかなと思ってます!」とYMOの後継を宣言した。ほかのメンバーがスチャダラパーのロゴマークのTシャツを着ている中で、間違えて電気グルーヴが作ったパロディTシャツを着てきてしまったというANIに会場は大爆笑。「FUN-KEY4-1」ではYMOの「ファイアークラッカー」のフレーズに乗せてラップをし、ラストは「サマージャム(ワーハピVer.)」と題して坂本龍一「戦場のメリークリスマス」の上でコール&レスポンスを行った。

初参加アーティスト中心のレフトステージの中で唯一2度目の出演となったポカスカジャンは、「もし長渕剛がドラえもんの絵描き歌を作ったら」「THE ALFEEが『森のくまさん』を歌ったら」「The Beach Boysが八代亜紀の『舟歌』を歌ったら」「いろいろな曲の中にThe Beatlesの『Let It Be』がかくれんぼする」といった音楽ネタを連発。確かな演奏技術と豊富な音楽知識に裏打ちされた完成度の高いギャグで、観客を笑いの渦に引き込んでいった。

続いて行われたのは、2011年に無期限活動休止を宣言したムーンライダーズの復活ライブ。2013年に亡くなったかしぶち哲郎(Dr)を除くメンバーがステージにそろうと、それだけで場内は騒然となる。今回のライブは、1991年に活動停止からの復活後第1作として発表されたアルバム「最後の晩餐」の収録曲で、「誰が最初に死ぬのか?」という意味のタイトルである「Who's gonna die first?」でスタート。鈴木慶一が「活動休止の休止スタート!」と宣言し、彼らは次から次へと懐かしい楽曲を披露した。「スカーレットの誓い」で会場中が拳を振り上げ大合唱。またこの日は鈴木の65歳の誕生日だったため、ビジョンに大きく「鈴木慶一さん お誕生日おめでとうございます」というメッセージが映し出され、盟友・高橋幸宏が花束を持ってステージに現れた。幸宏はそのままライブに参加し、鈴木と共に「9月の海はクラゲの海」をデュエット。さらに「BEATITUDE」では幸宏がドラムを叩いた。

GLIM SPANKYはブルージーなギターを爆音で鳴らしながら「ワイルド・サイドを行け」「怒りをくれよ」などを歌唱。松尾レミ(Vo, G)は「影響を受けた先輩方と一緒のステージに立ててうれしいです」と感激を露わにしつつも、豪快なステージングでオーディエンスを圧倒していた。

ブラジル・リオデジャネイロ公演から帰国したばかりの東京スカパラダイスオーケストラは、現地の熱い風を持ち帰ってきたかのような熱気あふれるライブを展開。キリン「氷結」のCMソングとしておなじみの「Paradise Has No Border」を1曲目とラストに計2回演奏するというコンセプチュアルなセットリストで、会場のテンションをグイグイと上げていった。また中盤には「リオの次は東京オリンピックだもんね! 東京、気合入れていこうぜ!」と呼びかけ、9月にブラジルで発売されるベスト盤「TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA~Selecao Brasileira~」の収録曲である、セルジオ・メンデスのカバーで知られる「MAS QUE NADA」も披露した。

水曜日のカンパネラのライブが始まると、コムアイは大きな白馬の御輿に乗って客席から登場。派手な入場演出に度肝を抜かれている観客を、彼女は「カモン!埋立地!」と煽る。その後も彼女は客席に降りたり、大きな脚立に上がって歌ったりと、レフトステージとセンターステージの垣根を崩すかのような自由で破天荒なパフォーマンスを連発。アウェイな空気を感じた彼女はMCで「(自分のことを)『FRIDAY』で知った人ー?」と言って手を挙げさせ、会場をなごませていた。

電気グルーヴは派手な映像演出とともに、前半は「Fallin' Down」「Missing Beatz」「Shamefull」「Baby's on Fire」といった近年のシングル曲を次々にプレイ。アグレッシブなビートで観客の体を揺らす。そして後半は「FLASHBACK DISCO」「N.O.」「富士山」と必殺のナンバーを連発。興奮状態のオーディエンスを前に、石野卓球とピエール瀧がステージ上で相撲を取ったり、卓球がショルダーキーボードを演奏したりといったパフォーマンスが繰り広げられた。ラストの「虹」では映画「未知との遭遇」の交信音を思わせるメロディが織り交ぜられ、約40分のライブは壮大なフィナーレを迎えた。

朝からぐずついた空模様でありながら、運よくここまでほとんど雨は降っていなかったが、レフトステージの最後に大森靖子が登場したタイミングでついに会場に雨が降り始めた。しかし大森は悪天候に負けず、バンド編成で気合いの入ったステージを繰り広げた。「絶対彼女」の歌唱中に「絶対女の子 絶対女の子がいいな」というフレーズでオーディエンスとコール&レスポンスをしようと試みた大森だったが、電気グルーヴとMETAFIVEの間という時間帯ゆえか反応が薄く、彼女は「テクノおっさんしかおらんやろ!」と観客を挑発。それを聞いて火が付いたオーディエンスと彼女の間で、激しい雨の中で「おっさん!」というコール&レスポンスが発生し、いつしか会場は大きな一体感に包まれていた。

3年連続でトリを務めることになったMETAFIVEは、「Maisie's Avenue」「Luv U Tokio」など1月に発売されたアルバム「META」の収録曲を中心にライブを実施。序盤は雨に見舞われていたが、晴れ男として知られ過去のワーハピでも雨を止ませてきた実績がある高橋幸宏のおかげか、「Split Spirit」が終わる頃にはすっかり雨が止んでいた。また幸宏はライブ中、METAFIVEが11月にミニアルバム「META HALF」をリリースすること、および初のワンマンツアー「WINTER LIVE 2016」を開催することを発表。このミニアルバムに収録を予定しているという、小山田圭吾の主導で書かれた新曲「Chemical」が初披露された。

アンコールに呼び戻されてMETAFIVEが再びステージに戻ると、幸宏の盟友であるスティーヴ・ジャンセンがゲスト参加しドラムセットに着席。幸宏は「どうしてもこの曲やりたいって、まりん(砂原良徳)が言うもんだから……」「この曲はもう、やることはないかもね」と少しはにかみながら語り、最後にMETAFIVE+スティーヴ・ジャンセンでYMOの「君に、胸キュン。」をパフォームした。この曲がYMOのメンバーによってライブで演奏されるのは、1983年12月に東京・日本武道館で行われた“散開コンサート”以来33年ぶり。会場は大合唱で包まれ、夢の島公園でのワーハピの最後を飾るにふさわしいハッピーなフィナーレとなった。

なお、この日のライブの模様はCSテレビ朝日チャンネルにて11月に放送が予定されている。

「WORLD HAPPINESS 2016」2016年8月28日 東京都 夢の島公園陸上競技場 セットリスト
柴田聡子
01. カープファンの子02. スプライトフォーユー03. ニューポニーテール04. いきすぎた友達05. ゆべし先輩

AFTER SCHOOL HANGOUT(林立夫&沼澤尚 with 鈴木茂, 森俊之, 沖山優司 featuring Leyona and 高橋幸宏)
01. Feelin' Alright02. Lady Madonna(with LEO今井)03. To Sir, With Love04. Never Can Say Goodbye05. Drop Down Mama06. Helpless(with 矢野顕子)07. I Saw The Light(with 矢野顕子&LEO今井)

WEAVER
01. Shall we dance02. くちづけDiamond~ライディーン03. さよならと言わないで04. KOKO

矢野顕子
01. CHILDREN IN THE SUMMER02. 夏なんです03. そりゃムリだ04. ひとつだけ05. Collapse~The Vase(Seiho solo)06. Tong Poo(with Seiho)07. 春咲小紅(矢野山脈ver)(with Seiho)

Ykiki Beat
01. The Running02. Modern Lies03. Stepping Out04. Vogues Of Vision

スチャダラパー
01. MORE FUN-KEY-WORD02. ライツカメラアクション03. GET UP AND DANCE04. 今夜はブギー・バック05. レッツロックオン06. FUN-KEY4-107. 再見Adios08. サマージャム(ワーハピVer.)

ポカスカジャン
01. ポカスカジャンのテーマ02. ドラえもん絵描き歌03. ガリガリ君のうた04. 森のメリーアン05. 舟唄 in USA06. Let It Beかくれんぼ07. 魚市場フラメンコ08. ポカスカジャンのテーマ

ムーンライダーズ
01. Who's gonna die first?02. Don't Trust Anyone Over 3003. 工場と微笑04. トンピクレンッ子05. ヴィデオ・ボーイ06. スカーレットの誓い07. 9月の海はクラゲの海08. BEATITUDE

GLIM SPANKY
01. ワイルド・サイドを行け02. 怒りをくれよ03. 闇に目を凝らせば04. 時代のヒーロー05. NEXT ONE06. 大人になったら

東京スカパラダイスオーケストラ
01. Paradise Has No Border02. 火の玉ジャイヴ03. DOWN BEAT STOMP04. MAS QUE NADA05. スキャラバン06. ペドラーズ07. Paradise Has No Border

水曜日のカンパネラ
01. ラー02. ユタ03. ウランちゃん04. シャクシャイン05. チュパカブラ06. 桃太郎

電気グルーヴ
01. Fallin' Down02. Missing Beatz03. Shameful04. Baby's on Fire05. FLASHBACK DISCO06. N.O.07. 富士山08. 虹

大森靖子
01. 少女3号02. TOKYO BLACK HOLE03. マジックミラー 04. 絶対彼女05. 音楽を捨てよ、そして音楽へ06. さようなら

METAFIVE
01. Mezzanotte02. Albore03. Maisie's Avenue04. Gravetrippin'05. Luv U Tokio06. Split Spirit07. Chemical08. Turn Turn09. Radio Junk10. Don't Move<アンコール>11. 君に、胸キュン。

最終更新:8月31日(水)20時15分

音楽ナタリー