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エイジングケア市場、シニア層取り込み拡大

健康産業新聞 8月31日(水)17時9分配信

 高齢化の進行により、エイジングケアをテーマとした健康食品・化粧品の市場が拡大している。昨年導入された機能性表示食品制度でも「アイケア」「肌」「ロコモ」などエイジングケア関連製品の届出受理件数は増え続けている。国内需要の伸び悩みに直面する化粧品メーカーも中高年をターゲットとしたエイジングケア製品のラインアップを強化。各社とも市場における数少ない成長領域と見て、食と化粧品による内外美容の需要喚起に取り組んでいる。

■若返る高齢者、関心事は「美と健康」

 総務省の人口推計によると、わが国の65歳以上の高齢者は3,420万人を突破し、総人口に占める割合は27%に達した。学識者からは「10年間で高齢者が10歳以上若返っている」といった指摘もあり、65歳以上とされる高齢者の定義については、日本老年学会でも「見直しを検討すべき」という見解を示している。

 現代の高齢者は必要な分野への支出は惜しまない。国内外の旅行にもっとも多く支出するのも60代で、40歳未満の世帯と比べ2倍を超える金額となっている。

 こうしたシニアの一番の関心事ともいえるのが「美と健康」。エイジングケア市場は40代以降の女性層をターゲットとする一方、「美と健康」に関心のある65歳以上のシニア層も無視できなくなった。事実、昨年の健康食品・サプリメントの支出額をみると世帯主の年齢が、70歳以上がもっとも多く、次いで60歳代の世帯となっている。

 エイジングケア商品はいまやヘルス&ビューティー分野で最大の売れ筋。単に肌老化の回復や保護にとどまらず、アイケアや脳機能、ロコモ・サルコペニア対策まで目的・用途が多様化している。大手通販企業では、機能性表示食品として受理されたアイケアのサプリメントがヒットし、受理前と比べ売り上げは4倍近くを記録した。

■コラーゲン、プラセンタ、アスタキサンチンなど

 エイジングケア商品は「美」と「健康」に大別される。

 前者は加齢によるシミ、シワ、肌のたるみ対策や、紫外線による肌ダメージ軽減を目的としたものなど。主な素材は、コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、セラミド、アスタキサンチン、CoQ10、柑橘系素材などがある。植物発酵エキス(酵素)も年々販売が拡大。ほかに一連のスーパーフードブームの流れをくんで、オイルやフルーツ関連の食品が再評価されている。

 後者の「健康」の衰え防止が期待できる素材は、ルテイン、ゼアキサンチン、ブルーベリー、アスタキサンチン、カルシウム、ビタミンD3、ビタミンK2、大豆イソフラボン、コラーゲン、アミノ酸、グルコサミンなどがあげられる。

 また、エイジングケアの観点から、腸内環境を正常化することが肌の健康を保つという認識が浸透。脳と腸が密接に影響し合うことを示した“脳腸相関”の概念から一歩進んだ「腸の健康と認知症の関連性」を指摘する研究報告も増えてきた。

 腸は「第2の脳」とも呼ばれる独自の神経ネットワークをもっており、脳からの指令がなくても独立して活動ができる臓器として知られる。最近では、病原菌のみならず腸内に常在する細菌も脳機能に影響を与えるという視点からの研究が進んでいる。

 エイジングケア研究で大きな進展を遂げているのが終末糖化産物(AGE)。「糖化は老化」というキーワードで、数年前には抗糖化化粧品が話題になったが、その後も研究は進み、今年は国産のAGE測定器が発売される。糖化を抑えることは美容の分野のみならず糖尿病の予防などを含む包括的なエイジングケアへの対応策として期待されている。

健康産業新聞

最終更新:8月31日(水)17時9分

健康産業新聞