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JFEスチール、ミルシートの偽造判定システム導入

鉄鋼新聞 8/31(水) 6:00配信

 JFEスチールは30日、JFEブランドを偽った鉄鋼製品が海外を中心に出回っている問題の防止策として、鉄鋼製品に添付するミルシート(検査証明書)の偽造判定システムを導入したと発表した。ミルシートに印字されたQRコードにスマートフォンをかざすと正規ミルシートの内容が表示される仕組みで、顧客は手元のミルシートと照らし合わせて内容の真偽を判別できる。国内鉄鋼メーカーでは初の試みで、海外での偽物鋼材の横行に歯止めが掛かると期待される。

 第一弾として今年3月、知多製造所(愛知県半田市)で製造した継目無鋼管、電縫鋼管のミルシートに導入した。鋼管での偽造が多いことを踏まえた対応。有効性を検証した上で他の国内4製鉄所にも導入を検討する。導入する場合は実行中の製鉄所システムの全面刷新に合わせて対応する。
 偽造判定システムの導入から現在までの約5カ月間、知多の鋼管については偽造に関する問い合わせがないことから、JFEでは一定の抑止効果があるとみている。QRコード付きのミルシートは海外鉄鋼メーカーでは韓ポスコが導入している。
 JFEでは、10年ほど前からJFE製と偽った鉄鋼製品が海外で販売されるケースを確認しており、最近でもJFE製かどうかを疑問に思った顧客から問い合わせを受けることが少なくないという。とりわけ鋼管製品を対象とした偽造事例が目立っており、韓国やイラン、インドの鋼材ユーザーから問い合わせが多いという。
 JFEによると偽造ミルシートの記載内容は全くでたらめなものから顧客名や規格・寸法・試験値の書き換え、備考欄への追記などさまざま。偽造鋼材の品質が低い場合は事故などにつながるリスクがある上、JFEの正規品の品質にまで疑いが持たれかねない懸念もあり、JFEは対策の強化を検討していた。
 JFEはこれまでもミルシートの偽造防止策を講じてきた。2007年から鋼管など一部製品を対象に、ミルシートの用紙に透かしや温度によって色が変わるサーモクロミック、隠し文字を施すなどして改ざんの有無を識別できるようにしていた。今回はこの特殊用紙にQRコードを印字し、偽造判定システムと組み合わせて対策を強化した。
 偽造判定システムはJFEグループによる独自開発。設計・構築はシステム子会社のJFEシステムズ(社長・西崎宏氏)が手掛けた。利用者の使い勝手に配慮し、スマホ画面で正規ミルシートの内容を参照できるだけでなく、同じ画面からJFEスチールの担当者に容易に問い合わせができるよう工夫した。

最終更新:8/31(水) 6:00

鉄鋼新聞

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