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「感動か笑いか、だけではしんどい」24時間テレビとバリバラに出演 義足の女優が語るリアル

BuzzFeed Japan 8/31(水) 5:10配信

障害者とメディア。問題はどこに?

「24時間的な感動か、バリバラ的な笑いか。この2つしか障害者の描き方がないと思われるのは、とても、しんどいなぁって思うんです。その両方の間に、多くの当事者がいると思うから」。淡々とした口調で語るのは、森田かずよさん(39歳)。【石戸諭 / BuzzFeed Japan】

大阪を拠点に活動する女優であり、ダンサーだ。先天性の身体障害があり、ある時は義足を身につけ、ある時は車椅子に乗りながら、舞台に立つ。自分の身体と向き合いながら、表現活動を続けている。

森田さんは、24時間テレビとバリバラ、両番組に出演した経験がある。いま、何を感じているのか。BuzzFeed Newsの取材に語った。

日テレ「24時間テレビ」対 NHK「バリバラ」

いま、障害者の描き方を巡って、論争が起きている。
8月28日、感動的な障害者の映像が多い「24時間テレビ」放映中に、NHKが障害者が出演するバラエティー番組「バリバラ」を生放送でぶつけた。
そこで取り上げたテーマは「検証!『障害者×感動』の方程式」。
スタジオでは、24時間テレビを意識し、障害者が何かと感動的に描かれることに異を唱えた。インターネット上では、放映中から議論が巻き上がり、バリバラに賞賛の声が集まった。

森田さんは、論争をこうみる。

「私はショック療法だな、と思いました。多少、過激でもいいから描かれる側から声をあげる。それをメディアが取り上げるのは、意味があると思います」

「しかし、議論が『24時間テレビはダメ』『バリバラはいい』とか『やっぱり障害者を描くのに笑いが必要だ』となると、ちょっと違うと思うんです。それぞれに良いところ、悪いところがありますから」

それぞれの番組の功罪とは、何か。

24時間テレビが作り上げる「ストーリー」

構成作家からオファーを受け、森田さんが24時間テレビに出演したのは2003年のこと。その年のテーマは「私を一番愛する人」。

番組側が描きたかったストーリーはこうだ。

先天性の障害を持って産まれながら、ハンディキャップを乗り越えて舞台に立ち、観客に感動を与える……。森田さんが当時、取り組んでいた一人芝居に、「一番愛する人」として母が見にくる。もしかしたら、母は泣くことだってあるかもしれない。それを映像に収めれば……。

しかし、森田さん親娘はこのストーリーを蹴った。そこにはウソがあるからだ。

「私の母は、自分には自分の人生があり、娘には娘の人生があるという人です。障害があろうがなかろうが、そこは変わらない。私の舞台も滅多に見に来ません。私たちが築き上げた親娘関係と違う演出は受け入れられない、と言いました」

結果的に別の形で放映されたが、違和感は残った。

「『障害者の周りになにかハードルを作って、当事者が頑張ってそれを解消する』というのが、ひとつのフォーマットになっていると思うんですね。でも、わざわざハードルを作らなくても、等身大の姿を撮影すればいい。多少頑張らないと生きていけない社会なんだから……」

一方で、24時間テレビの影響力は絶大だとも感じた。

「道で歩いても、声をかけられましたし、実際に募金も集まりますよね。恩恵を受けている人もいるわけです。ジャニーズのアイドルが出ることも、いいじゃんと思っています。私も好きですしね。普段、関心がない人が、障害者や難病の患者に関心を向ける1日があってもいいですよね」

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最終更新:8/31(水) 10:44

BuzzFeed Japan

北朝鮮からの脱出
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