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日本はロボットとの恋愛を禁止すべきか?

ニュースイッチ 8/31(水) 11:40配信

出生率さらに押し下げ?日本にとっては“緊急事態”

 世界の一流の研究者や研究機関が、人間と、生物ではない電子的な知性を埋め込まれた人間のような構築物との恋愛の可能性について、真剣に検討し始めている。

 来る9月7―9日には、英国マンチェスターで国際情報処理学会(IFIP)による隔年開催の国際会議が開かれる。今回のテーマは「技術と親密さ:選択または強制」。人間とわれわれが作り出した機械や「心」との、身体的およびバーチャルな親密さの可能性や懸念について慎重かつ真剣に、参加者が話し合う。

 念のため、こうした取り組みをしているのは過激な非主流派ではない。IFIPはもともと、国際連合の後援の下に設立され、日本を含めて情報通信技術(ICT)に関する研究で世界中から高い評価を受けている組織や個人で構成されている。多くの異なる技術同士が現実的に収束するのは十分あり得ると、このグループが認識していることは、転機を迎えている予兆ともいえる。

 この会議で取り組むべき実用的かつ理論的な問題は、明らかに人類の文明全体にとって普遍的なものではあるが、特に日本との関連が深い。具体的には、いわゆる高齢化社会の問題だ。最近のどの調査を見てもこの現象は悪化しており、それは結婚や子どもを持つことへのためらいと、極端な場合、他人と親密な人間関係を築くことに無関心な層が着実に増えてきていることを示している。

 この論理はきわめてシンプルだ。感情を表現する機械やソフトウエアが近いうちに登場するが、それらに恋愛感情を抱く多くの日本の若者の存在は、止めることのできない人口動態上の緊急事態を作り出す。

 皮肉なことに、産業用ロボットや支援ロボットの開発、実装、および輸出は、日本の将来の経済に非常に重要と考えられる。一方で、感情を持った機械は、日本のすでに持続不可能となっている特殊出生率(女性1人当たり1.4人)をさらに縮小する潜在的な可能性がある。それは経済の減速も引き起こすだろう。いったい、我々はどうすればいいのか。

 とはいえ、ロボットとの恋愛を禁止するのは愚かで不可能なことかもしれない。だからこそ、我々はさらなるロボット化でモノづくり経済がどうなるかを考えるのと同様に、機械やソフトウエアが我々の恋愛生活にどのような影響を与えるかについて検討を始め、備えを講じていく必要がある。

リノ・J・ティブキー(『アキハバラニュース』エディター)

最終更新:8/31(水) 11:40

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