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里帰り分娩再開へ 小田原市立病院

カナロコ by 神奈川新聞 8月31日(水)8時3分配信

 「里帰り分娩(ぶんべん)」の新規受け入れを休止していた小田原市立病院(同市久野)が、1年8カ月ぶりに受け付けを再開することが30日までに分かった。分娩の取り扱い数が一時期より落ち着き、今後もこれまで以上に増えるとは見込まれないことが主な理由で、9月に出産予定日を迎える妊婦から受け入れる。

 市立病院が受け入れを休止したのは2015年1月。背景には、周辺地域の医療機関が相次いで分娩を休止・廃止したことがあった。

 小田原市内では、市立病院を含む計4カ所で分娩を取り扱ってきたが、産婦人科医院1カ所が14年3月で閉院。さらに秦野赤十字病院(秦野市立野台)も産婦人科の派遣医師の引き揚げにより、15年2月末から分娩を休止した。

 その影響からか、市立病院の分娩取り扱い数は増えた。11~13年度は月平均64・6~68・8件だったが、14年度は73・5件に。この間、市立病院の体制に大きな変化はなかったことから、周辺から予約が集まったことがうかがえる。市立病院は予約枠を増やすなど対策を講じたが、分娩の安全性などを考慮すれば、「市立病院しか選択肢のない地元の妊婦を優先せざるを得ない」(同病院医事課)と、里帰り分娩の休止を決めた。

 その後は、市立病院の取り扱い数は減少。15年度は月平均68・0件、16年度は7月までの月平均が66・3件となった。理由について、「社会や地域全体で出産自体が減っていることも影響しているだろう」と同課。小田原市だけを見ても、15年度の出生数は11年度より1割減少している。分娩取り扱い数も今後、大きく増加するとは見込まれないことから、今月に入ってから里帰り分娩再開に向けた準備を始めたという。

 同課は「一時的とはいえ、休止して大変申し訳なかった」とし、「安心して安全に子どもを産み、育てられる環境を整える努力を、今後も続けていきたい」としている。

最終更新:8月31日(水)8時3分

カナロコ by 神奈川新聞