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アイルランドが米アップルへの追徴1.5兆円を望まない理由

Bloomberg 8月31日(水)6時26分配信

アイルランドが米アップルに追徴課税した場合、同国の年間保健予算が賄えるばかりか、貧困層向けに住宅約10万棟を建設し、さらに残りを国家債務の返済の一部に充てられるほどの額が得られる。ではなぜ同国は追徴課税を望まないのだろうか。

アイルランドのヌーナン財務相は30日、アップルに130億ユーロ(約1兆4900億円)の追徴税納付を命じた欧州委員会の判断に対し、裁判で争う意向を表明。この追徴課税額は昨年の同国の法人税収の2倍強で、国民1人当たり約3000ドルの収入に相当する。同相は追徴課税を行うべきだと主張する野党議員から集中砲火を浴びた。しかしアイルランド政府にとって、追徴課税は単純な問題ではない。

アイルランドの法人税制は同国経済政策の要であり、米グーグルやフェイスブックをダブリンに誘致できたのもこのおかげだ。同国は6年前、国際支援を求めざるを得なくなったが、この時でさえ税制改革を求める圧力に抵抗した。今回の欧州委の判断は法人税率12.5%に直接影響を及ぼすものではないものの、アイルランド政府は同国経済を支えている企業幹部の力になると表明している。

ヌーナン財務相は公共放送RTEとの30日のインタビューで、この問題で争わなければ将来の世代が打撃を受けることになるだろうと述べた。

アップルとアイランド政府は共に不正を否定。同社への優遇措置で合意したこともなかったとしている。在アイルランド米国商工会議所によれば、アップルを含め米企業700社強がアイルランドに子会社を置いており、従業員総数は14万人に達する。

原題:Why Ireland Doesn’t Want Apple’s $14.5 Billion in Back Taxes(抜粋)

Peter Flanagan, Dara Doyle

最終更新:8月31日(水)6時26分

Bloomberg