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米国、海外利益課税の一部失うリスク-EUのアップル追徴課税で

Bloomberg 8月31日(水)9時35分配信

米アップルに対し140億ドル(約1兆4400億円)強の追徴税をアイルランドに納付するよう指示した欧州委員会の判断によって、企業の税逃れ阻止を目指す世界的な取り組みで後れを取っている米国が高いつけを払うことになる可能性がある。さらにこの問題はアップル以外の米企業にも広がりそうだ。

欧州委の競争政策担当委員は30日、アップルがアイルランドと結んだ税金の取り決めは同社への反競争的な「国家補助」に相当すると表明した。アップルが最終的にアイルランドに追徴税を納付することになった場合、米連邦法の外国税額控除が適用され、米国への納税額を減らせる可能性がある。アップル幹部とアイルランドの当局者は欧州連合(EU)の指示に対し、裁判で争う計画だと表明している。

米財務省にとって問題になるのは、米多国籍企業が海外にとどめている利益2兆ドル強を米国に還流(レパトリ)する際の税収の一部が失われる恐れだ。EUは米企業が積み上げた海外利益を直接標的にしているわけではないものの、こうした国家補助の問題により米政府が得られる税収は大幅に縮小する可能性がある。法人税の最高税率を35%としている現行の米連邦税法は米企業が海外利益を米国に還流するまで税金支払いを延期することを認めている。

この数年間、米議会とオバマ政権は、税率を低くして米企業の海外利益還流を促す案で妥結できずにいる。政権側が税率14%を提案しているのに対し、下院共和党は今年、8.75%を提示した。合意の遅れは高くつく恐れがある。米連邦法は米企業が海外で納付した税額の控除を認めており、米企業は一定の制限の下で、米国への納税を減らすのに利用できる。

正確にどのような影響があるかは不透明だが、米財務省の複数の当局者は米企業が欧州政府に新たに多額の納税を強いられた場合、こうした控除を活用できる可能性があると懸念を表明した。控除が活用されれば、実質的に税収が米国から欧州各国へと移転することになる。

EUは既に、マクドナルドやアマゾン・ドット・コムなど他の米大手企業に対しても、アップルと同様の調査を進めている。

原題:Apple’s $14.5 Billion EU Bill May Press U.S. on Tax Overhaul (1)(抜粋)

David Kocieniewski, Lynnley Browning

最終更新:8月31日(水)9時35分

Bloomberg

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