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グーグルとアマゾンにウォール街切り込むチャンス-監視体制構築で

Bloomberg 8月31日(水)13時46分配信

「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる世界的な相場急落の原因究明はもはや、金融規制当局とウォール街だけの関心事ではない。シリコンバレーでも重要な意味を帯びている。

米上場企業の時価総額があっという間に激減した2010年5月の「フラッシュ・クラッシュ」以降、米証券取引委員会(SEC)は取引所やブローカーディーラーの株式・オプション取引を日次ベースで追跡する統合取引監視システム(CAT)の構築を目指してきた。同システムが導入されれば、当局者は短時間でデータを調べ、市場混乱の原因の手掛かりをつかめるようになる。米グーグルの親会社アルファベットやアマゾン・ドット・コムのような巨大ハイテク企業は自社のクラウド・サービスを通じてCAT構築に寄与できるとして、このチャンスに飛び付いている。だがCATには1億を超える顧客の名前や住所など個人情報が含まれる可能性があるため、ハイテク企業の参画に対するウォール街の反発は強まりつつある。証券会社や銀行は、巨大金融データベースからの情報流出リスクや、ハイテク企業が金融業界の最深部に入ることなど、さまざまな懸念を表明している。

米通貨監督庁(OCC)出身で現在はハーバード大学シニアフェローとしてフィンテックを研究するジョアン・ベアフット氏は「アマゾンとグーグルにとっては絶好の機会だ。両社のこのプロジェクトへの関与は既得権者にとって脅威だと私は考える。巨大ハイテク企業が米政府からより厚い信頼を勝ち得た場合、銀行が直面する最大の難題の1つになる」と指摘した。

アマゾンは米金融取引業規制機構(FINRA)と組んで、CATを構築しようとしている。一方、フィンテック企業のフィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズはグーグルと提携。システム業者に選ばれれば、自社のクラウド・コンピューティング拡大に弾みがつく見込み。4月に公表された見積もりによれば、CAT構築の当初費用は最大9200万ドル(訳95億円)で、メンテナンスに年9300万ドルかかる。

アマゾンとグーグルがCAT構築のシステム業者に選ばれる可能性が出てきたため、こうしたハイテク大手が金融サービスにおいて長期的にどれだけ広い範囲の目標を持っているのかという懸念が浮上している。世界最大の証券取引監視システムにいったん入り込めば、アマゾンないしグーグルがクラウド・サービスの範囲を超えて利益を得る方法を見つけるのではないかと懸念する声もある。システム業者の選定は来年1月までに行われる予定。

原題:Google and Amazon Vie for Big Inroad Into Wall Street Data Trove(抜粋)

Benjamin Bain, Elizabeth Dexheimer

最終更新:8月31日(水)13時46分

Bloomberg

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