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米地区連銀総裁2人、低金利長期化のリスクで対照的な見解

Bloomberg 8月31日(水)16時15分配信

米地区連銀総裁2人が31日、北京での同じ会議で講演し、低金利の長期化に伴い、金融不安定化のリスクが高まるかどうかをめぐり、それぞれ対照的な考えを示した。9月20、21両日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に当局者の間の見解の相違が浮き彫りとなった形だ。

シカゴ連銀のエバンス総裁は講演テキストで、投資家の間では金利が長期間、低水準にとどまるとの予想が定着し、米金融当局は金融不安定化のリスクを招くことなく、利上げを先送りすることが可能となっていると指摘した。

同総裁は「政策金利の長期見通しが長期金利の安定につながっている」とコメント。「このため、短期的な政策の道筋をめぐるサプライズがあっても、低めの政策金利見通しが長期金利の潜在的な上昇幅を抑制する役割を果たしている」と語った。

これに対しボストン連銀のローゼングレン総裁は、米経済がショックに見舞われた場合、商業不動産に対する高い評価が銀行セクターにリスクになると警告。「裏付けとなる賃貸料や入居率、市場金利が不利な状況に向かえば、商業不動産価格が急落するシナリオを想定することができる」とした。

同総裁はその上で、「そうした評価の見直しは経済の落ち込みと相まって、政策当局が一段と速いペースで金利の正常化を進めた場合よりも、リセッション(景気後退)を悪化させる恐れがある」と講演テキストで論じた。

実質金利

ローゼングレン総裁は「物価安定と持続可能な最大限の雇用という米連邦準備制度の2つの責務は比較的早期に達成される公算が大きい」と予想。「ゆっくりと金利の正常化を進めることで、引き続き成長を支えたいとわれわれは期待している。ただ、金利を長期間低水準に維持することにはリスクがないわけではない」と付け加えた。

一方、エバンス総裁は生命保険業界の投資担当幹部との最近の会合について言及。同幹部らは「イールドカーブ(利回り曲線)を取り巻く環境を見直しつつあり、米国および海外での生産の伸びがずっと緩慢となっていることで、実質金利が長期間、低水準にとどまる可能性があるとの見方に傾くようになり、それは1年ないし2年前に考えていたよりも長く、3年前に比べれば確実に長期化している」と述べた。

原題:Two Fed Officials Offer Different Views on Risks From Low Rates(抜粋)

Matthew Boesler, Christopher Condon

最終更新:8月31日(水)16時15分

Bloomberg