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原子炉底部、宇宙線で調査 中電と名大が実験を公開

@S[アットエス] by 静岡新聞 9月1日(木)7時15分配信

 中部電力は31日、廃止措置中の浜岡原発2号機(御前崎市佐倉)で、地上に降り注ぐ宇宙線を使って原子炉格納容器の底部を探る観測実験の様子を報道陣に公開した。福島第1原発事故で核燃料が格納容器の底部に溶け落ちているとされるが、線量が高く把握できない状態が続く。宇宙線を使い格納容器内の様子が分かれば、重大事故で役立つ可能性がある。

 中電によると、実験は名古屋大と共同で進めている。上空から降り注ぎ岩盤1キロでも透過する宇宙線ミュー粒子を、原子炉建屋地下2階に設置した特殊なフィルム「原子核乾板」(縦25センチ、横30センチ)で検出する。ミュー粒子が格納容器の内部を透過したり、場所によって遮られたりする性質を利用して、フィルムでミュー粒子の分布を調べる。

 名大によると、福島第1原発でも2015年までに同様の実験を実施した。ただ、原子力乾板を地上にしか設置できず、地下レベルにある格納容器の底部までつかむことはできなかった。

 浜岡原発では今後、約6カ月かけて観測する。福島第1原発より観測期間が長く、原子核乾板の数も増やした。福島より3倍程度の解像度が得られるという。

 中電原子力安全技術研究所の担当者は「格納容器の底部が遠隔、非破壊でつかめる技術で注目している」と話す。名大未来材料・システム研究所の中村光広教授は「原子核乾板を地下に設置できたことはとても意義がある。高精度の画像が得られると期待している」としている。

静岡新聞社

最終更新:9月1日(木)7時15分

@S[アットエス] by 静岡新聞